爆弾魔

第1話

女「私は、頭のおかしい奴ほどちゃんと雇うべきだと思うんですよ。働いてないと思考する時間が無限に増えて、思想が歪んでしまうから。働かせることで思考することをやめさせるんですよ。そうすれば、無敵の人なんて現れなくなる」

男「それがお前の動機か？」

女「まぁ、近いっちゃ近いですね」

男「じゃあ、爆弾はお前が面接で落ちた企業に設置したのか？」

女「さぁ？」

男「早く吐け。爆弾をどこに設置した？」

女「ここが爆発すれば、絶対にニュースになるようなところですよ。……どこだと思います？」

男「……頼む、教えてくれないか」

女「刑事さんが私とセックスしてくれたらいいですよ」

男「それは出来ない」

女「いいんですか？　あなたのせいでたくさんの人が犠牲になるかもしれないんですよ」

男「……わかった」

女「へ〜、いいんだ」

男「なんだその顔は？」

女「さっき私の動機の話をしたじゃないですか。その動機の半分は刑事さんとセックスすることだったんですよ。……刑事さんは私のこと覚えてますか？」

男「……覚えていない。どうして俺なんだ？」

女「どうしてって初体験は好きな人としたいからに決まってるじゃないですか」