400文字の物語を、書きたくなる

原稿用紙、というものが概念だけの存在になって久しい。
一部の教育機関ではまだ、使われているし、ひょっとしたら私は原稿用紙に万年筆、これじゃあないとね、なんて人もいるかもしれないが、現実的には文書作成ソフトの、まあある種のくくりでしかない。
だからそんなものに縛られるのは、旧態依然とした、単なるノスタルジアに過ぎないーー

俺はたまたま見つけた作品にそうレビューを書き終え、これもたまたま連れあった知人に物理的に作品を紹介する。こんなレビューを書いたんだ、と言って。

「あなた、まだカクヨムなんてやってるんですか? 古臭いですねえ。今や、4Dノベルの時代ですよ。ほら、これなんて、かわいい女の子の、こんなとこまで。匂いも、ほら、ほらほら、あっあっ」

知人はそう言って、文字だけの小説になんか、見向きもしない。ノスタルジアに浸っているのはどうやら、俺の方だったようだ。


ほら。つい書いちゃうじゃん。
もちろんお粗末なこんな作品より本作は面白く、そして何かを作り出したくなる。そんな話が並んでいる。
もちろん400字が旧態依然で古臭いなんて、まったく俺は思ってなんかいない。怒らないでね。

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