主人公の行いは決して正解とは言えない。むしろ批判する者の方が多いでしょう。しかし、この物語に単純な分類は少々風情に欠けるといえます。「救い」とは一体どういうことなのか。彼は、彼女は、救われたのか。読んだ人に何かを語り掛け、その心に何らかの跡を残す、現代の名作です。
魔法使いの依頼で、人攫いを請け負った影使いは、人魚の住む浜へ向かう。しかし。この結末は、幸せなのか?完全に否定することも、かといって完全に肯定することも、できないのです。
個人的に非情に印象に残り、前々からレビューしようと思っていた作品。5400字ちょっとと短いお話の中に、色々と考えさせられる事が散りばめられている。だからこそ、この時点で埋もれているのが惜しい。主人公の行いにはきっと賛否両論あると思う。多分、否定の方が多いかも?でも、読んでみて欲しい。きっとこの物語は不思議と心に残るはず……。そんなお話だと、私は思う。
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