概要
北には、神の意志を至高とする龍王が。
南には、人の武を尊ぶ獅子王が。
南部、獅子王の娘である咲はその晩、降嫁先の屋敷を追われることになる。
理由もわからず竹林を駆けながら、咲は自らの死に場所を探していた。
獅子王家の血液には、幻獣金獅子を従える力がある。金獅子はその強靭さで、人を圧倒する存在だ。
それゆえ獅子王家の者たちは、「その血を一滴たりとも敵に渡してはならぬ。捕らわれる前に血の残らぬ方法で自害せよ」と言い含められて育つのだ。
とうとう命を捨てかけた時。
咲をこの世に引き止めたのは、弟王子の従者である浦部春臣だった。
そして彼は咲へと告げる。
「獅子王は崩御した。王子の生死も定かではない。金獅子を従え国を守ることができるのはもう、あなただけなのか
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!重厚感ある壮大なファンタジー。読み応えがあります!
物語は、咲という女性の逃亡から始まります。
最初はなぜ逃げているのかわからず、咲の「敵に血を一滴も渡してはならない。死ぬときは血を渡さないために、この身を海底に沈める」という覚悟の強さに驚かされました。
咲は、南を治めている獅子王家に生まれた姫。
そしてこの世界の北には、龍王が治める国があります。
南北二つの国。
争いの種になりますよね。
読み進めていくうちに、この世界の様相だけでなく、人の心というものがわかってきます。
御占で未来のことがわかる。神意が未来の道標になる。
混沌とした世界だからこそ、人は占いや神意に頼りたくなる。確かなものがほしくなる。
けれどそれは、御占や神意を自分に都合…続きを読む - ★★★ Excellent!!!信念、願い、思惑。交錯する思いに、歴史がうねる大河ファンタジー
死ぬのに相応しい場所を求め、咲は深夜の竹林を駆けていた。獅子王家に生まれた彼女には幻獣・金獅子を従える血が流れており、追っ手に捕えられ、その血を敵に利用されるなどあってはならないことなのだ。しかし、命を捨てる覚悟を決めたその時、従者である春臣が現れる。「金獅子を従える血筋を絶やしてはならない。姫様は生き延びねばならぬ」。かくして、二人の逃亡生活が始まるのだった。
人の心が、国が、歴史がうねる、どっしり読みごたえのある大河ファンタジーです!
登場人物たちには各々信じるものや生まれ持った立場などがあり、それ故に生じる強い意志や葛藤に、読んでいてとても胸を打たれました。交錯する信念、個人の感…続きを読む - ★★★ Excellent!!!面白いです!
室町時代くらいの雰囲気、日本ぽいけど日本じゃない、島国を舞台にした和風ファンタジー。
幻獣金獅子。
強靭で人を圧倒する存在。これと過去契約した獅子王家の人間は、その血を金獅子に与える事で、金獅子を従える事ができる。
ヒロイン、咲(さき)は、獅子王家の姫。
獅子王家の者たちは、「その血を一滴たりとも敵に渡してはならぬ。捕らわれる前に血の残らぬ方法で自害せよ」と言い含められて育つ。
この島国は二つの国が覇権を争っていて、謀反により、咲はピンチに陥る。親の教えにしたがい自害しかけた時……、あらわれたのは弟王子の従者である春臣(はるおみ)だった。
春臣は咲を救いながらも、従者として一線をひく。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!二人の逃避行の行く先に光はあるか
島国を二分する王のうち、南の獅子王家の娘・咲。
彼女はある晩、突然に降嫁先の屋敷を追われます。謀反が起こったのです。
幻獣・金獅子を従える力のある『血』を敵に渡さぬため、咲は捕らわれる前に死に場所を求めます。そんな彼女を助けたのは、弟王子の従者・春臣でした。
二人きりの逃避行。
その過程で起こる様々なことが、物語に不穏な影を落とし続けます。
咲と春臣の間に生まれていく絆にすら。
冒頭から緊迫した状況で引っ張ってくれ、読者をこの世界へと落とし込んでくれます。
年の差と主従関係に萌える方にもお薦めです。
幻獣の金獅子の存在感も大きく、鉄格子から飛び出した巨大な鼻面とか、巨体のモフモフが想像で…続きを読む