運命に抗い続ける気高き姫と、下命に従い姫を守る従者の物語
- ★★★ Excellent!!!
冒頭は追っ手から逃れるという緊迫した場面から始まります。
夜道を逃げるのは、獅子王家の姫君――咲《さき》。
嫁いだばかりの咲は、なぜ自分が追われるのかわからないまま、しかし自分の死に場所を探していました。それはなぜか。獅子王家の人間は、その身に流れる血をけっして敵に渡してはならないため。
咲の身に流れる血は、幻獣金獅子を従える力があり、それ故に敵に利用されてはならないのです。
掟に従い、自死を選ぼうとしたとき、咲の前に現れたのが浦部春臣《うらべはるおみ》でした。
彼は咲の弟の従者であり、咲が追われる理由を話してくれます。獅子王家に残ったのは、咲だけかもしれないと。
こうして、二人の逃亡生活が始まります。
姫と従者という身分を隠しながらの生活。それは二人を主従という関係からより強い絆が芽生えます。
一方で、逃亡した咲の行方を追っ手はずっと探していました。
何度も危機を乗り越えながらも、しかし何よりも守らなければならないのは王家の血。
やがて二人はある選択を選ぶのですが、二人の覚悟や想いにぐっと胸が熱くなります。
物語を彩るのはもちろん二人だけではありません。咲や春臣に関わるキャラクターにも様々な背景があり、一言では語れないドラマがあります。
ストーリーの中盤まで読了のレビューとなりますが、咲と春臣の行く末をしっかりと最後まで見届けたくなる作品です。