面白いです。
のっけからテンション高めのコメディ一直線ですが、緩急上手く使い分けてシリアス要素が挿入されたりします
舞台設定がとても斬新です。
よくあるゲームの世界とか、本の世界とかではありません。
厳密に言えば表題からも察せられる通り
『本の中』なのかも知れませんが、そこに至った経緯、ラスボス等の
アイデアに作者様のセンスがキラリと光ります。
いもう……いえ、サブキャラのキャラ立ちも見事で、
読み手の想像力を遮らず、かと言って出し惜しみも
せず、という絶妙な塩梅で肉付けされていてとても
感情移入しやすいです。
そしてこれは絶対に書いておかなければと思った事なのですが、
この作者様は物語をまとめる能力が非常に高い。
読み始めから暫くは、物語の勢いに飲まれて読み進めつつも
この伏線の散らかり方はどうやってまとめるんだ? と思って
いましたが、とても綺麗にまとめていらして、素直に『凄いな~』
の一言です。
読み始めると暫く読み続けてしまいますので、覚悟して
読んでください。
それくらい魅力のある展開が待ち受けています。
異世界転生……異次元転生?!
のお話です!!
物語の中に筆者が登場するなど、セオリーやタブーに真っ向から挑戦していて、オリジナリティを感じます。
応援コメントの中で筆者が語ってみえますが、
"メタフィクションとはとらえていない"
(主人公は3次元の人間であり、著者の私が「ここは本の中(=小説元データ)の世界だ」と主人公に認めさせてしまっているから。つまり2.5次元に引き上げることで、フィクションとノンフィクションの中間に立ち、結果、メタフィクションを否定しようとしている)
メタフィクションや、メタフィクションの否定については、芥川賞作家の諏訪哲史『アサッテの人』『りすん』なんかを読むと、また得られるものがあるかと思います。
可能性のあるテーマだと思います。今後とも楽しみにしています。
最新66話まで拝読いたしましたが、64話以降は新章開始後まだ間もないため、第一の異世界63話までの感想となります。
未だ連載中ながら、「遂にラノベもここまで来たか!」そう思わずにいられない意欲作の誕生を予感しています。
ラノベの特徴の一つに、己の登場人物たる立場に自覚的なメタ言動の多さがありますが、そんな自己言及性を極限まで突き詰めると一体どうなるのか……その答えが、この作品の主要モチーフとなる【著者と主人公の対立構造】に表れています。唐突にラノベ世界の主人公にさせられた彼の自我は、絶対君主であるはずの著者の思惑を乗り越えようとして、キャラが走るなどというレベル(level)を超越した反逆(rebel)に帰着します。こんなに自覚的で著者に反抗的なキャラクターは見たことがありません。転生先の異世界にすんなり順応し、与えられたチート能力を粛々と駆使していく従来のラノベに、真っ向から斬り結んでいくかのようです。
こう書くとなんだかイロモノっぽく受け取られそうですが(事実イロモノ的描写も枚挙に暇がないのですがw)、ラノベの文法を熟知していなければここまで面白くは書けませんし、物語上の伏線はしっかり張られているためエンターテイメント性も充分。難解なだけの実験小説とは真逆の精神にも脱帽です。
魔王討伐クエスト編では、いよいよ本格的なファンタジー風異世界が舞台となっています。主人公の悪あがきがどこまで物語を豊穣にしていくのか? 今後も楽しみにしています。
最新話まで読了。憧れのライトノベル世界に転移した主人公が、創作世界のラスボス的存在である『著者』に苦労させられながら、ライトノベル的ストーリーを歩んでいくライトノベルです。最初はメタすぎて読み慣れるまで時間がかりましたが、中盤・後半以降はよい感じのライトノベル的展開(学園異能バトルの王道)でありつつ、メタがコメディとしても作用していったと思います。キャラクターはテンプレ的でありつつも良い感じにぶっとんでいてメインキャラもサブキャラも魅力的です。会話の応酬や様々なネタも秀逸でセンスがあると思いました。ストーリーはメタであるがゆえに没入しにくい面がありますが(でもここが作品の肝でもありストーリーの根幹でもありますが)、慣れてくると楽しめる、くせになる作品だと思います。
主人公は、作者が創造したキャラではなく、PC、スマホのこちら側、現実世界の人間。
ひょんなことからラノベの主人公にさせられてしまいます。
本人の意思と裏腹に勝手に台詞を吐き、もとからあったストーリーが進んでしまいます。
そこで主人公がとった行動は? この作品での真の黒幕は?
もはや語り尽くされてきた感があるラノベの中での常識、テンプレ。
この作品では、トリックスターとして著者が主人公にフラグを立ててはへし折ったり、無理難題を押しつけています。
本来なら最強であるはずの主人公は、常に劣勢を強いられることに。
彼に逆転の道はあるのか、そして真のエンディングは。
ラブコメ要素も多彩な、いい意味で読者を裏切る(序盤は)学園異能バトル。
今後の展開が気になる一作です。