「生きる理由が欲しいなら私があげるわ」こんな素晴らしい台詞、滅多にない

流麗な文章が心にすいすいと染み込んできます。
絹のようにやさしい手触りの下に隠されているのは、「命」という重いテーマ。

ですが、重さを感じさせずにラストまで一気に読ませてしまうのは、ひとえに作者様の実力と、文書力の高さゆえ。

上にあげた台詞以外にも、キャッチコピーとなっている「いらない命なら僕に頂戴」など、心に残る素晴らしい台詞が出てくるのですが、何よりすごいと思うのは、これらの台詞が上滑りすることなく、読者の心に染み込んでくること。

これは、登場人物達がそれぞれの人生を背負って歩いてきたことが作中に描かれているからこそだと思います。

けれども、作品に抱く印象はあくまで優しく、読後感はじんわりと余韻をもって、しみじみとなります。
アズウとシエラの今後に幸せがあることを願わずにはいられません。

素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございます。

未読の方は、ぜひとも一緒にこの素晴らしさを味わってください。

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