第八章 永遠の愛 

1  少年Vと百子


 エレベーターから出る。49階。


「こんな豪華な部屋に住んでいるの」

 絶句する百子。百子は女の子らしいそぼくな驚きを言葉にした。


「鈴木一郎」


 ぼくの名前です。少年Vが名前を教えてくれていると気づくのに数秒要した。

 一郎は、そのまま床にへたりこんでしまった。


「ねえ……やっぱ、病院にいったほうがいいみたい」

「冷蔵庫に輸血パックがある」

 

 200ccほどの輸血パック。人工血液といっていたのはこれか。

 でも手術のときなどに使う代替血液はあるが……。

 人口血液はまだ開発されていないはずだ。

 と百子は医学の知識で考える。

 すると製造年月日はなんと2032……20年先だ。

 

『Vバスターズ生物研究所』――製造元は百々血液研究室。


 えっえ。これってどうなってるの。床では一郎が息を吸っていないようだ。


 百子はあわてて一郎の口元にパックを押しつける。


 一郎の唇が乳くびをもとめる赤子のような動きを見せる。


 ドクドクと飲みだした。みるまに血色がもどる。胸の出血も止まる。


「これって……どういうこと?」

「百子にスゴマレルと怖いな」

「あんた。一郎さん。吸血鬼には恐いものなんて、ないんじゃないの」

「ソンナことありませんよ。ぼくは恐妻家だから、百子さんのこと恐いですよ」


2 この恋許されるの?


「それって……一郎さん、もう……奥さんがいるってこと」


 ――いけない。あまり立ち入ったことを聞いてはいけない。


「ぼくらが、百子、結婚するってこと――なんだけど」

 ――そんな。いまこうして二人だけで部屋にいるけど、まだ何も起こっていない。だいいち彼&彼女。なんて関係にもなっていない。

 恋人同士でもないのに……。あの抜け穴で会ったばかりなのに。

 どうして、ケッコンスル、なんていえるわけ。でもこのトキメキ、はじめての感情だ。クノイチには恋はご法度と厳しくしこまれてきた。厳しい戒律を守り、修行に励むことを自虐的なよろこびとして来た。


 それなのに、いまさら恋だなんて、恥ずかしい。

 それもあいては美少年V。

 鈴木一郎。

 あまりにも平凡な名前。

 でもわたしたちは、非凡な組み合わせ。

 敵である吸血鬼族とクノイチの恋。


 こんなのって許されるわけがない。

 百子はローティン―のような恥じらいをみせる。

 結婚する。

 ……なにをいわれているのかわからない。

 理解に苦しんだ。

 理解できないことを理解しようとしている。

 百子だった。


「血を飲まないでいるから、パワーがおちていた」

「ねえ。バックレないで? 教えて……結婚するって……どういうことなの? ……」

「ぼくには――未来を透視する能力もある。それに時間を跳ぶことも出来る。だから危険を回避出来る。……わかる? 吸血鬼が不死だなんていわれるのは、先が読めるからなんだ」


 ――わたしが一郎を好きだってことも、みんなオミトオシ、なのかしら。

 伊賀クノイチの頭領のわたしがこともあろうに、吸血鬼と結ばれる。

 吸血鬼の恋人となり、ケッコンスル。


 そんなことってアリ??? 


3 この胸のときめき


 そんなこと、許されない。

 おおくの仲間が吸血鬼との戦いで死んだ。

 ストーカーとなって人を、とくに少女を襲うVを阻止するために死んでいった。

 だれにもほめられもせず。

 暗い街の舗道で死んでいった。


 それなのに、わたしが一郎と恋に落ちるなんてことは許されない。

 でも……この胸のときめき。

 とめられない。

 いままでの修業がなんの役にもたたない。

 わたし……どうかしている。


「ぼくは、人から直接血を吸うことで、そのひとを死に追いやったことはない。ぼくは吸血鬼の父と人間の母の間に生まれた。血を吸うことの出来ないはぐれもの。albino.」

「どうしてわたしなんか、助けたの」

「ぼくは百子がVやソノ従者RFと戦うのをずっと見てきた。鬼沢剛がRFをけしかけて悪事を働くのをとめられなかった。全ては鬼沢のやったことだ。ぼくらが争うことは宿命かもしれない。でも悲しいことだと思いつづけていた。それで一つの結論に達した。『Vバスターズ生物研究所』に血液研究室を設立して人工血液の開発に努めてもらいたい。iPS細胞の研究からスピンオフしてだれにでも輸血できる血液ができる。その可能性に賭けてもらいたい。これはその研究部室で作られたものだ」

「そんな難しいこといわれても、わからない」

「その研究所でアリサも働くことになっている」

「アリサは美咲と竹原さんの子どもだったのだ」

「美咲さんも、そこで働いている。みんな一つの建物で働いている。そして、その建物は鹿沼にある」 


 一郎と話しているとジグソーパズルのワンピースがひとつひとつ納まっていく。

 一つの絵になっていく感じだ。


「美加子さんもいっしょだ。ドクターになっている」


 だからこそ、アリサは美加子を助けたのだ。母の美咲を助けたのだ。みんなを助けて――未来につなげたのだ。


 未来の世界で、同じ研究所で共に働いている。

 わたしたちの苦労は報いられる。

 Vが直接人間の襟首から血を吸わなくてすむようになる。

 わたしたちはもう争わなくてすむ。

 そんな世界が実現するのだ。

 その未来の世界で一郎と会っていたら……。

 こんなに悩まなくてすむはずだ。

 わたしたちは、すこし早く会い過ぎたのだ。


「おかげで、すっかり楽になった」

 一郎は窓辺に寄って、宝石のようにきらめく夜景を見下ろしている。


4 百子のファストキス


 ――どうして、この少年を好きになってしまつたのだろう。夢の中で、夢幻の世界で初めてあったときから胸騒ぎがした。もうこのひとからは離れられない。前世からの約束事だったのだ。

 百子は、そんなことを思っていた。

 百子は一郎と並んで夜の街を見下ろしていた。

 宝石をまき散らしたように輝く明り。

 美しすぎる。

 だが、光のとどかない闇の領域には、闇に住むものがいる。

 ソイツラらと戦ってきた。なにもしらないで、生きている人たちを守るために。

 夜の一族と命をかけて戦ってきた。それなのに……情けない。

 わたしが、こともあろうに……。


「百子、じぶんを責めないで。これは約束されていた恋なのだ。ぼくらにはこの想いをどうすることも出来ない。でも……ぼくらがともにひきあい、結ばれるということは、ぼくらだけのことではない。人とVの共存を試すはじめての試みとなる。ぼくはそう信じて、百子の夢の世界にはいりこんだ。そしてなんて純粋な心の人なのだろうと感動した。百子、じぶんを責めないで。ぼくはこれでもほんものの夜の一族。百子たちが戦ってきたのはVの純血種ではない。彼らには、貴族の誇りはない。かれらの血の流れは、日本にきているVの血統は亜流なのだ。ぼくは彼らから村八分にあっている。ノバにされている。迫害されている。鬼沢組のRFからは命すらおびやかさている。だから、いままでどうりアイツラと戦っていいのだ。いや戦ってほしい。そしてこれからはぼくも百子を助けて戦う」


 携帯が振動している。百子の携帯が胸のポケットでふるえている。

 百子は現実の世界から呼びかけに応じた。一郎の部屋を出た。


「これからは、ぼくもいっしょだ」

 下降するelevatorのなかでふたりは唇をあわせた。

 それは遅まきながら、百子のファストキスだった。


5 百子恋やつれ


 いつしか雨。

 百子は大森の街を歩いていた。

 さまよっていた。

 駅前のブックオフを出たまでは覚えている。

 肩にふりかかる霧のような雨のなかを歩いている。

 周囲の景色がかすんでいる。

 いまVに襲われたら、マチがいなくおくれを取る。

 こころが乱れている。

 一郎のことを好きになってはいけない。

 ダメ。わたしはクノイチ48の統領、百々百子。

 (通称、百子――。ドドチャン。モモチャン)呼び名なんか、なんでもいい。わたしは恋する女。


 もうだめだぁ。これはもう、絶体絶命回復不可能恋愛症候群の虜になったのだ。

 それがうれしい、百子だった。

 一郎のことを忘れられない。

 あきらめられない。

 わたしはクノイチ。

 でも恋いするフツウの女なのだ。

 一郎のことを好きになってはいけない。

 いままで、命がけでVと戦ってきた仲間を裏切ることになる。

 わたしはあなたを好きになってはいけない女。

 わたしの未来の姿をおそわった。でもにわかには、信じられない。


 Vは敵だ。でも、一郎は過激派のVにバンビーノとして迫害されている。

変わり種。シロッコ。white vampire。

 一郎はVから軽蔑されている。ほとんど吸血行為をしないから。

 人を襲わないから。敵の敵はミカタになるかもしれない。

 ダメよ。ジコチュウ的解釈をしてはいけない。

 いかに弁解してもダメ。わたしはクノイチ。

 恋をしてはいけない女。一郎を好きになっては、いけなかったのだ。

 それなのに、禁を破って、好きになった。好きになってしまった。

一郎の哀愁をたたえた目をみていたら、口づけをこばめなかった。


 ひんやりとした一郎の唇。

 抱きよせられた。胸の高鳴り。

 好きになってしまった。

 一郎の悲しそうな、孤独な雰囲気が好きだ。

 百子は迷いながら歩いていた。

 傘もささずに。

 街をさまよい歩いていた。


6 百子の危機


 いままで、こんなことはなかった。

 ひとりでぼんやりと、夕暮れどきの街を歩いたことはなかった。

 つい先日オウムの高橋が逮捕された。

 あれほどプレスのひとたちが騒いでいた蒲田や大森駅周辺の繁華街。

 漫画喫茶。

 インターネット・カフェ。

 彼らは波が引くように去っていった。

 街にいつもの平穏さがもどった。

 だが百子のこころのサザナミは、

 恋の悩みはおさまりそうになかった。

 どうしたらいいのかしら。

 ザワッと、背後に気配。

 いや、殺気。

 かわせたのは百子だからこそ。

 背後から迫った男を百子はひと睨みした。


「あら、フトッチョのマキタさんね」

「覚えていてくれて、うれしいぜ」

「大森組がなんのごようかしら」

「ここは、大森組のテリトリーだ。おれたちがいても、おかしくはないだろうが」


 取囲まれていた。いままで複数のひとにつけられていた。

 それに気づかなかったのだ。百子は走りだしていた。

 戦う不利をしった。こんな心理状態では、戦えない。

 闘争心がわかない。こころに精気がない。


 百子は、走った。前方にさらに人影が。

 鬼沢剛三にまた偽装している。その真の姿は、元内閣調査局室長の木村だ。


 木村の肉体組織はVにのっとられている。Vという特殊な生命体が政府高官である木村の奥深くに活きている。


 活性化している。鬼沢組をおもうように牛耳っている。統括しているのだ。


「どうして、あんたがまたでてくるのよ」

「抹殺するには惜しい。もういちど仲間になれと、口説こうと思ってな」


 百子の応えは、やはり逃げることだった。思考が乱れている。戦えない。

 剛三の言葉とは裏腹に迫りくるマキタには殺意がある。


7  百子追いつめられる


 百子は逃げた。初めてのことだ。一目散に、逃げた。

 慣れていない。こんなみじめなじぶんを仲間に見せられない。

 だから……携帯でたすけを呼べない。

 何本ものドスが百子を襲う。剛三が、百子に仲間になれなどと言うのは、フエントだ。

 必殺のドスが百子に斬りつける。

 マキタの肩口をザックリと斬った。

 ところが、なにかオカシイ。

 傷口かふさがっていく。

 回復する。こいつら不死身なのか。

 傷口がまたたくまに癒合する。

 百子は戦うことをあきらめた。


 逃げた。広域暴力組織をアマクみてはいけない。

 かれらは、にほんで最大の戦闘要員をかかえた集団なのだ。

 そして、剛三の配下の組員は吸血鬼化してしまっている。

 首を切り落とすか。心臓を一気につかなければ、倒せない。

 剛三はクノイチを壊滅させる。ひとおもいに潰す覚悟だ。

 戦って勝つ見込みのないときは、逃げる。緊急避難だ。

 べつにじぶんに言い訳することもない。


 百子は逃げた。トリカコマレテイタ。封鎖されていた。

 かなり前から、百子は見張られていた。

 それに気づかなかった。恋にうつつを抜かしていたからだ。

 道の曲がり角や交差点にヤッラが 潜んでいる。

 鬼沢組の構成員のすべてが、V化しているとみていいだろう。


「もうどこにもにげられないよ。百子」


 木村室長の声で楽しそうに剛三が笑っている。


「さあて、どうするかな」

 

8 百子!! 危機からの脱出


 百子は息が上がっていた。

 それほど走ったわけではない。

 それなのに、胸がどきどきして、苦しい。

 白刃がせまってくる。ドスがめまぐるしく百子の目前で交差する。


 いつまで見切れるか。


 呼吸が苦しい。


 もうだめだ。


 くやしい。こんなところで倒されてなるものか。


 幽かだがいやらしいVの歯ぎしりがきこえる。


 わたしに噛みつきたいのだ。


 噛みついて血を吸う期待に歯ぎしりをしているのだ。

 恐怖にからだが硬直する。だめ。ただでさえ体の動きが鈍くなっているのに。

 恐怖に支配されてはいけない。ますます。手足の動きが重くなる。遅くなる。

 百子はじぶんのこころの脆さをはじめて意識した。もう逃げられない。

 これいじょうもう、走れない。

 グッと睨みつけた。剛三とマキタが近寄ってくる。


「もうこれまでだな。百子」

「マキタ。話しかけないでズバッとやってしまえ」

 マキタの巨体がさらに近寄ってきた。百子の携帯がふるえている。

 でられない。携帯を開くゆとりがない。それは、百子の動悸とは、べつのふるえだった。


「百子。だいぶてこずっているね」


 美少年が路上にかがんでいた。いままさに、虚空から現われた。空から降ってきた。飛び降りてきた。というように、かがみこんだままほほ笑んでいる。


「一郎!!」


 助かった。うれしかった。これでどうにかなる。

「ドウシテキサマガココニイル。シロッコノオマエガ。吸血鬼のなりそこないが」

「ちくしょう」


 マキタが一郎に斬りつけた。一郎は重力を無視したように、座った姿勢のまま虚空に跳んだ。


「いつから、おまえらデキテタンダ」

「下品な言葉を使わないでください。ぼくらの関係は、まだ、メンタルなものです」

「けっ。夜の一族が何ぬかす」


 剛三が携帯をとりだした。顔色がかわった。声がうわずっている。


「百子。たくらんだな」


 そんなことはない。なにも、たくらんでなんかいない。

 なにをいっているのだ。なにをたくらんだ、というの?

 でもそう思っているのなら、それでいい。

 携帯を閉じると剛三は退いた。


「事務所が襲われた」 


9 クノイチ参上


 悪の権化、Vの顔になっている。剛三がギシギシと歯ぎしりをした。


「おれたちをここに誘いこんでおいて本部事務所を襲わせたな」

 乱杭歯がたてるぶきみな歯ぎしり音。あまりに異質な存在だ。

 ヤクザの親分の顔をかなぐりすてな。まるっきり、Vの顔になりきっている。

 百子は攻撃にでた。彼がいる。一郎がスケットにかけつけてくれた。

 迷いがふっきれた。わたし一郎と共闘している。Vに対して。ふたりで戦いを挑んでいる。百子の体の動きがなめらかになった。

 

 剛三はすっかりV。どうみてもV。

 わたしこの男の擬態にごまかされていた。

 内閣調査局長、木村のもとで仕事をしていた。

 見抜けなかった。はずかしい。


「百子!! 後!!」


 一郎の声がとぶ。ふり返っていたのでは間に合わない。

 切迫感があった。百子は中空に跳ねた。跳ねながら下を見る。百子のいた場所をVが鉄パイプで横にないでいた。剛三に気をうばわれていた。

 危うかった。


「ありがとう。一郎」

「なに、イチャツイテイル」


 剛三が百子の着地場所にかまえている。

 一郎が剛三めがけて走ってくる。

 間に合わない。百子は剛三のストレートになっている鉤爪をよけらけるか。

 サーベルのような鋭い爪。爪のサーベル。ヒュッと音。空気を裂く音。

 百子は着地した。襲ってこない。剛三がよろけている。ハリネズミだ。

 からだにおびただしい数の矢がつきたっている。


10 死をもってつぐなう


 ひとは、信念のために戦う。愛する者のために命をかける。

 いつか死がやってきたとき。信念のために。愛をつらぬくため。

 よろこんで死んでいける。戦いの場で死ぬ。

 わたしたちクノイチはそう信じで戦ってきた。

 いま、巨悪の権化Vの全身に矢がつきささっている。

 クノイチの集団が百子の救出のために駆けつけた。


「百子。一人で死ぬ気なの」


 言葉はキツイ。顔はあきれ顔。でもあたたかな友情が百子の心に沁み込んだ。


「ありがとう。麻子」


 だが!! 麻子の体が悲しみにおおわれている。


「麻子。なにがあったの?」


 ポニーテールにシュシュの似合う菜々と他数人が従っているだけだ。


「麻子!! なにが……」

「わたしの独断で、わたしたち御成忍群だけで襲った。ヤツラ重火器で武装していたのよ」


 そのひとことでわかった。駈けつけたクノイチは半数以下に激減している。

 それも傷ついている。鬼沢組の事務所。

 Vの巣窟を制覇するのにはらった犠牲のおおさに百子はふるえた。


 (わたしがぼんやりと街を彷徨していたから。鬼沢組のVが包囲網を縮めているのをモニターで知った。いまなら事務所を急襲すれば勝てる。事務所にはVはあまりいない。と判断して、麻子が攻撃をかけた。すべてはわたしが恋にうつつをぬかして、ぼんやりと街を歩いていたからだ。ワタシガ悪い)


 大切な仲間をまた失った。

 この責任はどうとればいいのだ。

 百子は一郎から密かに渡されていた名刺を見た。


「Vバスターズ生物研究所」

 百々血液研究室 研究員 竹原アリサ


 わたしは近い将来大学に復学する。ドクターとなる。

 そして一郎に聞いたとおりの未来を生きることになるのだ。

 Vと人間との共存を願い、卒業後、研究所を創設するのだ。

 少年Vは、わたしたちが結ばれるのをしっていた。

 本当なのだろう。

 今度、アリサに会うことが出来たらそれを訊いてみよう。


11 百子の誓い。


 素朴で、甘美なよろこび。

 この心のトキメキを、胸の鼓動をわたしはすなおに、うけいれていいのかな。


「みんな、の死はムダにしない。わたしたちが、Vともう戦わなくてすみ、共存出来る世界を実現するから――。

『Vバスターズ生物研究所』を創設するの。

 百々血液研究室で人工血液の大量生産を始めるから。

 Vと人間との共存に一番貢献したのはあなたたちよ。

 わたしは一郎と暮しているだろう。

 みんな、ありがとう。

 こうした未来が実現できるのも、みんなが命がけで戦った成果だからね。

 ありがとう。Vとの戦のない平和な世界になるよ。

 それまでは、Vとの戦いは続くだろうけど――。

                                 完了


この作品はフィクションです。実在の固有名詞、人物、団体とは一切関係ありません。




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吸血鬼処刑人 麻屋与志夫 @onime_001

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