愛する人との思い出を胸に彼女は未来へ踏み出す

とても美しくて哀しく、愛に満ちた名作です。
優しいオルゴールの音色のような叙情的文章が、愛する人を失ったヒロインの哀しみと再生の物語を語ってくれます。

人は死んでも消えてしまうのではない。
愛する人の胸の中でずっと生き続ける。
思い出は残された人間を哀しみの沼に溺れさせるけれど、いつかきっと、未来へと踏み出す勇気をくれる優しい記憶となるはず……そう思わせてくれる素晴らしい物語でした。

そして、この小説の魅力は葵と彼女をめぐる人々の人間ドラマだけではありません。もう一つの魅力は、「星作り」というファンタジックな要素です。夜空の星の瞬きは人々の哀しみだった……という設定が非常にロマンチックで童話的だなぁと感動しました(私は児童小説とかも好きなので)。

葵のこれからの幸せを祈りつつ、こんな素敵な物語を生み出してくれた作者様に最大の感謝をしたいと思います。

素晴らしい作品、ありがとうございます!

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