知らなければ、守ることはできない。平和も……心も。

人間をグレードアップする兵器……鎧装を、以前の「外敵」から同胞であるはずの人類に向けてしまった世界。
人の欲、意識は、大きな禍根を残すことになる……。
……正直に言ってしまえば、文章には拙い点が多く、読むときに閊えてしまうことも多々あった。
ただ、この作品の根幹に流れるテーマ、心を震わせる慟哭、何よりも「彼」の流した涙が、私の心を突き刺した。
有体に言えば文章力などは磨けばどうにでもなるのだ。だが、セリフで、描写で、鷲掴みにしてくる魅力は代えようがない。
その魅力にたどり着くまでは距離があるが、少年の……ニーアの悲痛な叫びを聞けば、直前まで評価に悩んでいた私の背を押す「コア」に触れてもらえるはず。

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