いやあ、ボリュームのある作品でした。
作者様の豊富なメカ設定や描写は、積み重ねられた知識と研鑽されたスキルとセンスを感じます。
ひと言で表すならば――――分かっているな、と。
ただ、書きたいことを書ききっている、それが全体の足枷となることもあるとも感じます。
作者が分かっている反面、分かっている読者としか作品の深い相互理解は難しいであろうという、ある意味ロボットモノの宿命です。
また、圧倒的な勢いをして描かれた最終決戦、おっと目を引くキャラクター性を鑑みれば、文章のクリーンナップと人間同士の関係性をブラッシュアップすることで、恐らく。
この作品は全体をコンパクトにしながら、もう一段階『上』へいけると断言します。
戦いに身を置く人の『性』、星海に謳われるかのようなメカニカルヒロイックサーガ。
楽しく読ませてもらえる良作でした! ありがとうございます。
昨今のロボットアニメは、まるで値段だけ高い薄切り肉
昨今のロボット特撮は、まるでコーティングや見た目に拘りすぎた、日持ちのしない味付け肉
そんな中彼のこの作品は、ボクの大好きなアニメ黄金時代を色濃く受け継いでいる
若いからこその発想と、大切な何かを併せ持つ作品
細かい設定が重く感じるひともいるだろう
キャラクターだけでいいと感じるひともいるだろう
しかしながらロボット作品というものは、ロボットとキャラクターが均一でなければならない
ロボットの性能だけではつまらない
キャラクターが可愛かったり、かっこよかったりするだけでは飽きてしまう
世界観、ストーリー、設定、背景、キャラクターすべてを均一に魅せなければならないジャンルとも言える
そう、難しいジャンルなのだ、ロボットものと言うのは
ロボットは飾りじゃない
キャラクターだけのドラマならロボットはいらない
彼は余すところなく、ストーリーと設定を盛り込み、単一のロボット世界を作り出している
時間がないと中々読みにくい帰来もあるけれど、それこそがロボット作品の醍醐味と言えよう
世代を世代と捉えずにいる彼ならではの逸品
人間をグレードアップする兵器……鎧装を、以前の「外敵」から同胞であるはずの人類に向けてしまった世界。
人の欲、意識は、大きな禍根を残すことになる……。
……正直に言ってしまえば、文章には拙い点が多く、読むときに閊えてしまうことも多々あった。
ただ、この作品の根幹に流れるテーマ、心を震わせる慟哭、何よりも「彼」の流した涙が、私の心を突き刺した。
有体に言えば文章力などは磨けばどうにでもなるのだ。だが、セリフで、描写で、鷲掴みにしてくる魅力は代えようがない。
その魅力にたどり着くまでは距離があるが、少年の……ニーアの悲痛な叫びを聞けば、直前まで評価に悩んでいた私の背を押す「コア」に触れてもらえるはず。
ツイッターで最初にヒューマが扱う機体の画像を見た時、思わず「ブルーディスティニーだこれ!?」となって作品をチェックしてしまいました。
実際チェックしてみると、どちらかといえばハインラインの宇宙の戦士的な、いい意味で古風なSFロボットアクションでした。文字の海の中で溺れる感覚は、かつて古典の名作に熱中した時のような頭のマラソンを思わせ、心地の良い満足感を覚えます。
現在第六十四話まで読ませていただきましたが、序盤に比べてやっぱり読みやすくなってますね。そういう変化も面白いかと。個人的に最高の回は第六十三話だと思っているので是非其処は読んでください!
これは良い。実に良い。ジャンルは異なれど同じロボット物を書いている人間として自身を持って勧めます。
圧倒的描写物量、圧倒的描写質、さながらモビルアーマーの如き強さが有る作品です! この作品は間違いなくすごい!