こんな作品を待っていました!

 ダイヤモンドの原石のような、確かな才能を感じました。安定した文章力、丁寧な描写、アクションシーンの魅せ方、ブレない設定、冗長さを排除した構成。どれを取ってもレベルが高いです。中でも秀逸だと思ったのはキャラクターの配置の仕方です。誰が敵で誰が味方か、ミステリアスな展開がキャラクターへの興味を引き、相乗効果的に、先を読みたいという気持ちを大きくしてくれていました。
 
 ライトノベルとしての質はかなり高いです。良い編集者が付けば、すぐにでもデビューしてやっていける力があると思います。
 神島大和さんは、書き続ければいずれプロになれるでしょう。それだけの才能があります。
 そう断言できるのは、伸び代を残しながらも、熟練になっても気付けるかどうか、というポイントを既にしっかりと押さえているからです。そして何より、「伝えたいもの」が込められている。だからこそ、心に響く。これが才能ではなくて何だと言うのでしょうか。

 今後の期待も込めて最高評価を出したいところですが、それではいけないと思うのです。きっと、いや、必ず、神島大和さんはすぐに成長します。そして、私のレビューを読み返して、こう思うことでしょう。「わかっていて情けを掛けたのかよ、ふざけるなよ!」と。なので、厳しいようですが、この評価とさせていただきました。

 私はカクヨムに二種類の作品を期待していました。一方は「そんじょそこらのプロよりおもしろい作品」で、もう一方は「プロになるまでの成長過程を見届けられる作品」です。

 皆さんも、歴史の目撃者になってみませんか?

(第一章まで読了してのレビュー)

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