輝夜姫がその身に宿したのは、呪いと美。そして――。

 輝夜姫の直系の子孫である美少女高校生のイルカ。彼女には「月の王」であるツクヨミという許嫁がいた。しかも、この婚姻を破棄すれば、地球と月のバランスが崩れて、世界が崩壊するという呪い付き。
 円形恐怖症のイルカに対して、ツクヨミは「レッツ子作り☆」というテンションで付きまとい始める。
 そんな中、イルカには二人の同級生であり「家来」となる、友達ができる。そして、イルカの幼馴染で陰ながらイルカを守る男や、軽薄そうでもイルカのことを考えてくれる男性など、イルカの身の回りは少しずつにぎやかになっていく。しかし、輝夜姫にはもう一つの呪いがあった。『竹取物語』の輝夜姫で、難題を出して貴公子たちが数奇な運命をたどったように、イルカに近づく男たちは不幸になっていくのだ。そんな自分の性質に、イルカは身を引こうとしていた。
 そして、イルカの周りで新興宗教が動き始める。イルカを誘拐しようとした信者だったが、ツクヨミが神の姿を見せて、これを撃退する。
 周囲に恵まれ、徐々に人間らしい姿を見せていくイルカ。
 しかし、世界滅亡の時は迫ってきていた。

 果たして、現代の輝夜姫の決断は?

 最古のSF作品とされる『竹取物語』の、もう一つの物語。
 とても読みやすく、面白かったです。

 是非、ご一読ください。

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