風となり共に行こう――悲しみも絶望も超え、夢見る未来に向かって

まず、緻密に練られた壮大な世界観に圧倒されます!

しかし難解だと尻込みすることなく、芸術的なまでに美しい筆致に導かれるがまま、気が付けばシルディアナの世界に惹き込まれておりました。

見たこともないファンタジーの世界、なのに目に浮かぶように手に取るように、視覚からその世界の映像美が感じられます。

ストーリーも正統派、と思わせて数々の伏線が張り巡らされ、それが一気に回収された時は声にならない悲鳴を上げてしまいました。一度ならず、何度も!

紡がれるのは、交錯する想いが深い悲しみの連鎖を生む物語。
けれど悲壮感漂う中にも、爽やかな風がそっと頬を撫でるような極上の優しさが胸に染み渡ります。

私の拙い言葉では伝えきれませんが、この物語に出会えて良かった!

これからもずっと忘れることができない、心に深く刻まれた作品です。


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