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概要
一足揃えるたび、誰かの帰路が動き出す
台風の後、海岸に大量の片方靴が打ち上がる町。元靴修理職人の男は、防波堤の端にある「漂着履物整理所」で働き始める。靴を洗い、乾かし、サイズや減り方、残った砂や匂いまで調べて左右を組にする。正しい組み合わせなら高額の報酬。間違えば無報酬。正しい組は翌朝、倉庫から町へ続く濡れた足跡を残し、間違った組は倉庫の中を永遠に円を描き続ける。男は最初、ただの仕事だと自分に言い聞かせる。だが報酬の額と、足跡の行き先を操れる感覚に次第に引き込まれていく。
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