かわいい妖精さん
みらい
かわいい妖精さん
数日前に私はかわいい妖精さんを拾った。狭いお家に閉じ込められてて可哀想だったから、私が助けてあげたんだ!かわいいお洋服をいーっぱいプレゼントしてあげたら、綺麗なお歌をいーっぱい聞かせてくれる。妖精さんも私のことが大好きなんだね。リボンが似合う、かわいい私だけのお友達!
…でもね、私不安になってきちゃった。だって、あの日私があなたを見つけていなかったら、あなたは私以外の人の前でそうやって綺麗に歌っていたんでしょう?ううん、私と出会う前だって、そのかわいい顔を見ていた人が居るんでしょう?そんなの許せないよ。私にはあなただけなのに。私がいちばんあなたにかわいいお洋服をプレゼントしてあげるし、私がいちばんあなたを大好きなのに。あなたは私じゃなくてもいいの?
……なんて、こんなこと考えちゃダメダメ!いまあなたは私の隣にいる。それが全てなんだから。もう、すぐに悲しいこと考えちゃうのは私の悪い癖だよ、バカバカ!…でもでも、私を不安にさせたあなたも悪いよね?いつも窓の外を眺めながら寂しそうな声を出しているあなたも。
そうだ!この羽、ぎゅってしちゃえばいいんだ。そうしたらあなたは大好きな私のところから離れられなくなって嬉しいでしょう?私も不安にならなくなるし。私ってば天才!大丈夫だよ、あなたが飛べなくなっても私は踏み潰したりなんかしないようにちゃんと気をつけるし、羽なんてなくてもあなたを好きな気持ちは変わらないから。さあ、羽にさよならして。
せーの!
ほらやっぱり羽がなくなってもあなたはすっごくかわいい!嬉しいからってそんなに泣かないでよ〜。ちゃんとこの羽もキーホルダーにして大切にするからね。あ、そうだ!いい加減ずーっと鳴ってるインターホンもウザイし、私だけの物になったあなたのこと自慢しちゃお!羽がなくなったあなたを見たら、アイツもいい加減あなたが私の物になったって認めてくれるよね。
かわいい妖精さん みらい @Mii_31
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