概要
太陽の加護を授かった日の一族と、月の加護を授かった月の一族と呼ばれる者達だ。
日の一族は、人並み外れた強さと頑丈さを。
月の一族は、運命を変えるためのツキを呼ぶ力を。
やがて、幾星霜を経て統一はなされたものの、次第に日の一族による独裁政治が始まり、安寧秩序とは正反対の道を辿っている。
月の一族であり「月の御子」の詩乃は、生まれた頃から日の一族によって囚われ、虐げられていた。
ある日「日の御子」の宗一郎に嫁いだ姉が彼の手によって命を奪われていたことを知る。
また、詩乃と宗一郎との婚姻が勝手に決められていたのだ。
姉を失い、心が折れてしまった詩乃は、宗一郎と契りを結ぶ儀式の最中に海へ飛び降りて
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- ★★★ Excellent!!!自由を得るための契約結婚の運命やいかに
月の一族の御子である詩乃は、生まれた頃から日の一族に囚われ虐げられていた。
姉の死を知らされ、姉を死に追いやった相手と無理やり婚姻を結ばされることになり、世界からいなくなってしまいたいと思うほどに追い詰められた詩乃は、死を選んだ。
もう、ここまででも詩乃の人生の悲痛な叫びが聞こえてきそう。
決死の覚悟、それがどれだけのものかなんて想像もつかない。
海へと飛び込んだ詩乃の死の間際、そこで救いの手が差し伸べられた。
それが、タイトルにもある龍神様である。
お互いの利益のため、詩乃は龍神様――洵はへと契約結婚を持ちかける。
互いに自由に――好きな人と結ばれるために。
そのまま、逃避行に飛び出した二…続きを読む - ★★★ Excellent!!!どこまでも逃げて、いずれ辿り着く幸せを願って。
ツキを引き寄せる月の一族の御子である詩乃は、日の一族によって囚われ、虐げられていた。
日の一族の御子である宗一郎へ嫁いだ姉を殺された失意の中、今度は自分が次の花嫁になることに。
憎い宗一郎に嫁ぐくらいなら、日ノ本を安寧秩序へ導く役目を放棄してでも死のう。
そう心に決めて海へ身を投げた詩乃を助けたのは、龍神の洵。
彼も親が勝手に決めた婚姻から逃げている最中なのだと言う。
他人に好き勝手される運命から逃げることを決めた二人は、「洵が本当に結婚したいと思う相手を見つけるまで」という期限付きで、契約結婚をすることに――。
幼い頃から枷を嵌められ、虐げられて生きてきた詩乃ですが、その心根は強く…続きを読む - ★★★ Excellent!!!逃避行は、無邪気な神様と。
運命を変えるためのツキを呼ぶ力を持つ月の一族は、人並み外れた強さと頑丈さを持つ日の一族に支配されていた。
当代の「日の御子」である宗一郎に嫁いだ姉を、些細な理由で殺された詩乃は、後釜にと宗一郎に妻として娶られるのに逆らい、海へ身を投げる。
命を失うことを覚悟し、白無垢で飛び込む詩乃の決意に胸を痛めていると、龍神の洵が救いの手を差し伸べてくれた。
神様だからこそ、ただで助ける訳はない。洵は洵で、親が勝手に決めた婚姻から逃げているのだという。
ツキを呼べる詩乃の力を提供しつつ始まる逃避行。
ヒロインから契約婚を申し出るという斬新さは、現代女性の心に響くこと間違いなし。
自ら運命を変えるために…続きを読む