概要
高熱の後遺症で記憶を失う奇病〈カリエンテ病〉で寝込んでいたことから、失われた記憶は病のせいだとされた。
侍女ミサと、過保護なほどに献身的な護衛騎士カイル・ヴァレンティアに支えられながら、リュシアナは手がかりを求めて城下へ向かう。
そこで出会ったのは、不思議なタロットカード。 それを手にした瞬間、彼女は「自分が何者か」と、「近い未来を垣間見る力」を手に入れる。
リュシアナはタロットの力で人々を占い、王女としてではなく、一人の少女として人々に必要とされていく。
家族からの愛ゆえに巻き込まれる陰謀と脅威——迫られる選択の中で、彼女は未来を読み、運命を変えていく。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!作者と王女のめくるタロットが、物語を導く。
アルフェリオン王国の第二王女リュシアナとして目覚めた主人公。
カリエンテ病に罹り前世の記憶もリュシアナとしての記憶も失った彼女を導いたのは、なんとタロットカード。
そこで前世でタロットカードを趣味で嗜んでいたことを思い出したリュシアナは、人々が幸せになる手助けをするためにタロット占いをするようになる――。
異母姉クラリーチェの陰謀や護衛騎士カイルとの恋路もハラハラドキドキさせられますが、やはり一番の見せ場はタロット占いだと思いました。作者様が実際に占った内容を反映させているというのも興味深いです。
タロットカードは一枚一枚に意味があり、上下どちらで出るかでその意味や解釈が変わったりします…続きを読む - ★★★ Excellent!!!そして彼女は、タロットをめくる
目を覚ますと「姫様っ!」とメイドが駆け寄る。
聞くところによるとアルフェリオン王国の第二王女、リュシアナ・アルフェリオンになっていたようだった。
カリエンテ病によって完全に記憶を失ったリュシアナ。
記憶を取り戻すため、侍女のミサと護衛騎士のカイルと城下へ手がかりを探しに行く。
そこで出会ったのは不思議なタロットカードで…
この物語の中で重要なピースとなるタロットカード。
実際に作者様引いたカードが、登場人物が物語の中で引いたカードとなっています。
カードを引き、リーディングの結果を綺麗に物語の世界に落とし込むことによって、物語に奥行きが表れています!
恋愛のこと、未来のこと。
悩…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ほんの少しの思い遣りが、誰かの心を豊かにする
カリエンテ病によって記憶を失った第二王女・リュシアナは、侍女ミサと護衛騎士カイルに支えられて、自分自身のこと、家族のこと、王宮内の陰謀、……、様々なことを知っていきます。
記憶を失う前のリュシアナは聡明かつ優しく、行動力もあり、それは病を患った後も変わっていません。
特に彼女が持つ優しさは尊いもので、それ故に、姉であるクラリーチェの思いと彼女が起こした事件によって心が摩耗していきます。
それを支えるのが、侍女ミサと護衛騎士カイルです。
王族に対する無条件な敬意ではなく、リュシアナの人間性と行いが二人を惹きつけています。
物語の途中、リュシアナがタロットカードによる占いを活用して、多くの人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!皆の幸せを願って、今日もカードをめくる。
タロット占いはご存知でしょうか。
わたしは「占ってもらいたいな」と思いつつ「自分にとって不都合な結果だったら辛いな」という理由から、テレビの星座占いくらいしか知りませんでした。
このお話では、主人公であるリュシアナがタロットカードを用いていろんな方を占っていくのですが、めくられたカードの意味や示している未来の解説がとても丁寧で非常にわかりやすいです。
何より、リュシアナが本当に優しい。
ただ占うだけではなく、その人の幸せを願っているのです。カードもそれを汲み取ってくれて、背中を押してくれます。
実際、一部を除いて幸せな方向に進んでいました。
驚いたのは「自分が気に入ったものだけを信じれば…続きを読む - ★★★ Excellent!!!幸せな未来を掴むため、運命を占う
奇病の高熱により記憶を失ったリュシアナ。
しかし、目覚めた瞬間に思い出したのは、前世の記憶だった。
前世でのタロットカードの知識を活かして様々な人を占うリュシアナのシーンが当然ながら多数登場するが、占いの知識がなくとも、わかりやすく説明が入るため、タロットカードを知らなくとも入り込める物語になっている。むしろ、なるほどと知識として楽しめました。
また、ストーリーはハラハラとした緊張感が多数、もちろん恋愛面も事欠きません。
占いで恋愛を占ってもらうシーンや、リュシアナ自身の恋愛面も……
様々な角度から楽しめるストーリとなっているこの作品、占い、陰謀、恋愛、どの要素もおすすめです。 - ★★★ Excellent!!!記憶を失った王女を導く、運命のカード!
奇病〈カリエンテ病〉によって、完全に記憶を失った王女・リュシアナ。
記憶を求めて向かった先で、ひょんなことからタロットカードを手にすると――少しだけ未来が垣間見える力が宿る。
侍女ミサと、護衛騎士カイルという理解者と共に、アルフェリオン王国に害をなそうとしている姉と向き合っていく。
リュシアナがタロット占いという手段で、周囲の悩み事としっかり向き合うことで、人々が前向きになっていくところが本当に素敵でした。
貴族女性たちだけでなく、時には騎士まで。
そしてどんな結果が出ても、「自分が信じたいものだけ信じれば良い」という考え方がまた良いなと思いました。
占いは、あくまでも導くだけ。迷ったとき…続きを読む