アルフェリオン王国の第二王女リュシアナとして目覚めた主人公。
カリエンテ病に罹り前世の記憶もリュシアナとしての記憶も失った彼女を導いたのは、なんとタロットカード。
そこで前世でタロットカードを趣味で嗜んでいたことを思い出したリュシアナは、人々が幸せになる手助けをするためにタロット占いをするようになる――。
異母姉クラリーチェの陰謀や護衛騎士カイルとの恋路もハラハラドキドキさせられますが、やはり一番の見せ場はタロット占いだと思いました。作者様が実際に占った内容を反映させているというのも興味深いです。
タロットカードは一枚一枚に意味があり、上下どちらで出るかでその意味や解釈が変わったりします。でも解釈に正解はなく、出たカードをどのように受け取るか、もしくは受け取らないかはその人次第です。そしてリュシアナは相談者の幸せを後押しする気持ちでカードを読みます。相手の気持ちに寄り添い、カードが提示する意味を自分の言葉で伝え、その人が幸せに近づけるよう祈って。
占いの方法やカードの意味など、とても丁寧に書かれているので、タロットカードの知識がある方だけでなく、興味はあるけど難しそうだなと思っている方にもおすすめな一作です。
聡明なリュシアナがタロットカードで導く物語の命運、そしてカイルとの恋物語の行方を、ぜひお楽しみください!
目を覚ますと「姫様っ!」とメイドが駆け寄る。
聞くところによるとアルフェリオン王国の第二王女、リュシアナ・アルフェリオンになっていたようだった。
カリエンテ病によって完全に記憶を失ったリュシアナ。
記憶を取り戻すため、侍女のミサと護衛騎士のカイルと城下へ手がかりを探しに行く。
そこで出会ったのは不思議なタロットカードで…
この物語の中で重要なピースとなるタロットカード。
実際に作者様引いたカードが、登場人物が物語の中で引いたカードとなっています。
カードを引き、リーディングの結果を綺麗に物語の世界に落とし込むことによって、物語に奥行きが表れています!
恋愛のこと、未来のこと。
悩める相談者たちの、背中をそっと押す。
自分が信じたいものだけ信じればいい。
彼女が多くの信頼を得たのは、頭の良さもそうですが、相談者1人1人に真摯に向き合ってきたからだと感じました。
恋愛あり、陰謀ありのハラハラドキドキの物語。是非この結末はご自身の目で確かめてください!
カリエンテ病によって記憶を失った第二王女・リュシアナは、侍女ミサと護衛騎士カイルに支えられて、自分自身のこと、家族のこと、王宮内の陰謀、……、様々なことを知っていきます。
記憶を失う前のリュシアナは聡明かつ優しく、行動力もあり、それは病を患った後も変わっていません。
特に彼女が持つ優しさは尊いもので、それ故に、姉であるクラリーチェの思いと彼女が起こした事件によって心が摩耗していきます。
それを支えるのが、侍女ミサと護衛騎士カイルです。
王族に対する無条件な敬意ではなく、リュシアナの人間性と行いが二人を惹きつけています。
物語の途中、リュシアナがタロットカードによる占いを活用して、多くの人の人生を後押しする場面がありますが、決して難しいところはありません。
タロットを知らない人でも分かるように占い、その結果から、その人の人生がより豊かになるようにと背中を押してあげるものです。
リュシアナの他者に対するそんな姿勢が、ミサとカイルのような人を惹きつけ、味方になってくれる関係を育んだのだろう。そう思える温かな物語です。
タロット占いはご存知でしょうか。
わたしは「占ってもらいたいな」と思いつつ「自分にとって不都合な結果だったら辛いな」という理由から、テレビの星座占いくらいしか知りませんでした。
このお話では、主人公であるリュシアナがタロットカードを用いていろんな方を占っていくのですが、めくられたカードの意味や示している未来の解説がとても丁寧で非常にわかりやすいです。
何より、リュシアナが本当に優しい。
ただ占うだけではなく、その人の幸せを願っているのです。カードもそれを汲み取ってくれて、背中を押してくれます。
実際、一部を除いて幸せな方向に進んでいました。
驚いたのは「自分が気に入ったものだけを信じればいい」ということ。
占いで気に入らない結果が出れば、それは信じなくてもいいのです。これだけで占いに対しての不安が取り除かれますよね。
ハラハラドキドキとする展開もありつつ、占いパートでは「なるほど!」と勉強になり、終盤は甘々なお二人に胸があたたかくなる、そんなお話です。
皆様もぜひ、読んでみてください。
奇病の高熱により記憶を失ったリュシアナ。
しかし、目覚めた瞬間に思い出したのは、前世の記憶だった。
前世でのタロットカードの知識を活かして様々な人を占うリュシアナのシーンが当然ながら多数登場するが、占いの知識がなくとも、わかりやすく説明が入るため、タロットカードを知らなくとも入り込める物語になっている。むしろ、なるほどと知識として楽しめました。
また、ストーリーはハラハラとした緊張感が多数、もちろん恋愛面も事欠きません。
占いで恋愛を占ってもらうシーンや、リュシアナ自身の恋愛面も……
様々な角度から楽しめるストーリとなっているこの作品、占い、陰謀、恋愛、どの要素もおすすめです。
奇病〈カリエンテ病〉によって、完全に記憶を失った王女・リュシアナ。
記憶を求めて向かった先で、ひょんなことからタロットカードを手にすると――少しだけ未来が垣間見える力が宿る。
侍女ミサと、護衛騎士カイルという理解者と共に、アルフェリオン王国に害をなそうとしている姉と向き合っていく。
リュシアナがタロット占いという手段で、周囲の悩み事としっかり向き合うことで、人々が前向きになっていくところが本当に素敵でした。
貴族女性たちだけでなく、時には騎士まで。
そしてどんな結果が出ても、「自分が信じたいものだけ信じれば良い」という考え方がまた良いなと思いました。
占いは、あくまでも導くだけ。迷ったときの指針であったり、背中を押してくれるものだったり。
そうして周囲から得難い信頼を得たリュシアナには、いよいよ姉との確執に終止符を打つ時がやってきます。
一体どんな決断を下したのかは、読んでのお楽しみ。
タロットカードの知識がなくても、楽しめます!
オススメですよー!!