自由を得るための契約結婚の運命やいかに
- ★★★ Excellent!!!
月の一族の御子である詩乃は、生まれた頃から日の一族に囚われ虐げられていた。
姉の死を知らされ、姉を死に追いやった相手と無理やり婚姻を結ばされることになり、世界からいなくなってしまいたいと思うほどに追い詰められた詩乃は、死を選んだ。
もう、ここまででも詩乃の人生の悲痛な叫びが聞こえてきそう。
決死の覚悟、それがどれだけのものかなんて想像もつかない。
海へと飛び込んだ詩乃の死の間際、そこで救いの手が差し伸べられた。
それが、タイトルにもある龍神様である。
お互いの利益のため、詩乃は龍神様――洵はへと契約結婚を持ちかける。
互いに自由に――好きな人と結ばれるために。
そのまま、逃避行に飛び出した二人。
逃避行と言いつつも、二人は自由で生き生きとして見えます。
その中で、二人は互いのためと言いつつも、少しづつ距離感や向き合い方が変わっていくような――それこそこの作品の楽しみと言えましょう。他にも、逃走劇には様々な問題が起こります。
どうか幸せな道を歩んでくれと願わずにはいられません。
おすすめです。