逃避行は、無邪気な神様と。
- ★★★ Excellent!!!
運命を変えるためのツキを呼ぶ力を持つ月の一族は、人並み外れた強さと頑丈さを持つ日の一族に支配されていた。
当代の「日の御子」である宗一郎に嫁いだ姉を、些細な理由で殺された詩乃は、後釜にと宗一郎に妻として娶られるのに逆らい、海へ身を投げる。
命を失うことを覚悟し、白無垢で飛び込む詩乃の決意に胸を痛めていると、龍神の洵が救いの手を差し伸べてくれた。
神様だからこそ、ただで助ける訳はない。洵は洵で、親が勝手に決めた婚姻から逃げているのだという。
ツキを呼べる詩乃の力を提供しつつ始まる逃避行。
ヒロインから契約婚を申し出るという斬新さは、現代女性の心に響くこと間違いなし。
自ら運命を変えるために踏み出す勇気に、励まされます。
頑張るヒロインだからこそ、時折出てくる洵の無自覚な独占欲に、キュンが大量に詰まっているっ。
二人の逃避行を、いつまでも眺めていたい。
素敵な作品です。オススメです!