概要
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- ★★★ Excellent!!!寺山修司にも繋がる凄い物語
寺山修司の「身毒丸」にも、オカアサンを買うシーンがあります。
息子に冷たいオカアサンで…
けれども息子は母を慕う
この特売のオカアサンも、姉と弟との人間模様が寺山のそれと重なります
ああ、あれを未来的に処理するとこんなにも恐ろしい、そして現実の問題のある親、家族の分断を描いたホラー作品になるのかと、感動しました。
本当にすごい。そして深い。
たくさんの人に読まれて欲しい傑作だと思います。
家族が抱える問題は、近年取りざたされることも増えましたが、親ガチャなんて言葉通り、500円のガチャでオカアサンを買い、お風呂にバスボムのようにつけておいたら膨らむ…みたいなところまで想像してしまいま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人が切り、切られるシステム。それがあってはいけない場所。
人が人を労働力として雇う。そして不要と判断したらクビを切る。不況と呼ばれる昨今、このような光景を数多く見かけるようになりました。人が切り、切られる。そういうシステムはごく当たり前に存在しています。
しかし、どんな環境にもこのシステムが存在しているか、存在していても良いかというと、違うと思うのです。その一例が、本作で取り上げられている「家族」。
会社が労働者のクビを切る場合、そこに合理的な理由があるはず。一方、利害関係ではなく単純な血縁関係でしかない家族の中でクビを切るシステムがあったら…ごく些細な理由で切り、切られる状況が出来上がってしまうかもしれません。
その悍ましさを想起させる、素晴ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!市場に流通する『オカアサン』。代わりの利く『それ』はアタリかハズレか
強烈にして濃厚な世界観に、あっという間に引き込まれます。
「オカアサン」というものが、お店で売られている場面から本作はスタートします。
主人公の少女は弟と共に「オカアサン」を買い、授業参観の日に来てもらうように「飼育(または栽培?)」を始めることに。
八百屋に売っている野菜とか、あとは植物の苗のような感じ。そのように「検品」とか「出荷」という形で「オカアサン」が市場に出回るという世界観。
母親というのが家族として存在するのではなく、「取り換えが効く商品」として扱われるという。
スーパーで売られる野菜には「当たり外れ」や「見た目の良しあし」があるように、「オカアサン」にもそ…続きを読む