作者様はまだとてもお若いと聞きました。そのお若い感性、青春─最近はアオハルと表現されていますが─その中に起きる、思う。その思いを素直な歌にされている。そう思いました。こうした歌は、青春、アオハルの時にしか詠めない。そのひとときがあたかも貴重な宝石や金銀の細工のように思えるのです。
一言で言わせていただくと、透明感です。古典を愛する瑞々しい感性が、そのまま言葉に表現されてああ、なんだろう。きらきらとまぶしいんです。晴れた夏の日の、きらめく海の水面のようなそんな言葉を紡いでくださって。詩がお好きな方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
目につくもの、聞くこと、思うこと。身体を通すことのすべてが、文字に変わった瞬間に特別な何かになります。和歌はその一瞬を切り取り留めます。そして、和歌は鑑賞されることで他の人の心にも広がります。本作にはそんな幾つもの瞬間が並んでいます。あなたの心に届くときを待っているのです。どうぞ、ご覧ください。ここには、瑞々しい時間が詰まっていまから。
ラムネの泡がしゅわしゅわと弾ける音に、夏の記憶が蘇る。作者の短歌は、そんな日常のささやかな瞬間を丁寧に掬い取る。蝉の声に負ける風鈴、テスト明けの朝日、ひそやかな逢瀬。どの歌も等身大の感情で綴られていて、読むたびに心が軽やかになった。私もまた、見過ごしがちな日々の美しさに気づかされた。
日常を読んだ短歌🌸短歌なのですぐに読めて、文字に触れたいと思った時に最適でした🌸☺
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