双魂の契り、風は桂に宿る

明治二十四年、結界都市・京洛。
千年の封印が揺らぎ、八つ首の怨霊が蘇ろうとしていた。
結界再構築の鍵「双魂陣」を起動するには、敵対する二つの家――風を操る蒼家と、樹の式神を使役する桂家の嫡子同士が「契約結婚」を結ぶことが唯一の道。

風来坊の陰陽師・蒼翔と、器用ながら価値観に揺れる才媛・柚葉。
一年間の偽装夫婦として、彼らは8つの怨念珠を集める旅に出る。
各地に潜む魔障、仲間の裏切り、そして芽生えてしまう「本物の気持ち」。

契約は、やがて誓いへ――
すれ違いと共闘を経て、ふたりは「夫婦」の意味を問い直す。
そして最後の戦いが、命を懸けた“愛”を試す。

運命と戦う恋。
――「どうか、幸せになって」そう願いたくなる、