令和の夏休みの宿題

心配性の親は、またまた子供の宿題に物申す。


授業の科目に関わる宿題は嫌だったが、

夏休みの宿題の創作関係は楽しみだったよ、おとうさんは。


子供の創作系宿題リストを見ながら話をする。

お絵描き、習字、読書感想文、工作、、、。


去年は愛鳥週間のポスター描いたね。

今年は何する?


「何もしない。」


それじゃ、先生に怒られるでしょ。


「怒られない。だから。」


まさか!得意なモノをひとつ以上選んで作品に仕上げるのでは?

去年は習字も描いたよね。

なんと、去年もその前も任意だったらしい。

そういえば、母親が強く後押していたから、したのかな。

今年はしない、と主張する。


「自分が好きなもの描くから。」


そう言う娘が書いているのは、

4つ切りの画用紙に、女の子が20人ほど並んでいる鉛筆画。


せ、設定資料!


正面立位の女の子がずらり並んで、身長差が一目瞭然。

それぞれ個性的な髪型で、高校の制服を着ている。

それぞれに氏名、学年、コメント付き。


去年あたりから自由帳にコマ割りした学園モノ描いていたが、

ついにここまで来たか!


そして上のお兄ちゃんは、大阪メトロの路線図を手書きしている。

路線ごとに異なる色鉛筆で区別する。

立派なグラフィックデザイン。


残念ながら、自由研究の項目は無い。






さらに驚きは、日誌の、とある日のお題。


廃材を使って手作り楽器を作ってみよう。

これは必須のようだ。


ただ驚いたのは、完成品は学校に持って行かないで、

動画で提出する、と。


あれ、上のお兄ちゃんの時は、学校に持って行ったよね、

壊れないようにパッキングに工夫したもんね。

え、あの時も本体提出の必要はなかった?

ひとりだけ持って行って、恥ずかしかった?


楽器だから、みんなで持ち寄って合奏したらいいのに。


そうか、動画提出ならプレゼン能力も問いているのか?

、、、違うか。

これは点数をつけたり評価したりするモノではなさそうだな。


にしても、合奏したら楽しいだろうに。

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性善説 ムーゴット @moogot

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