概要
それは歌を知らぬAIの、精いっぱいの、愛──。
その昔、ふたつの心がヒトによって創られました。ひとつは自分で考え、勉強して、どこへでも行ける存在。アンドロイドと名付けられました。もうひとつが、それらを壊すべく作られた存在。名前はもう残っておりませんが、後にロストテクノロジーと呼ばれるようになりました。ふたつの戦いはヒトがみんな死んでしまってもなお続き、ドームと呼ばれる直径十キロのごく限られた世界で、ようやく共存を果たしました。ロストテクノロジーからもアンドロイドからも、歌声が聞こえなくなって、千年が経ったある日。
小さな奇跡が起ころうとしておりました。
小さな奇跡が起ころうとしておりました。