概要
——その刃は完璧な均整を保ち、まるで月光を凝縮したかのような銀色に輝いていた。
剣を携えて旅する少女——アルテア。
“銀の剣”を手に、彼女が探すのは「銀髪の騎士」。
手がかりはない。ただ剣技と信念だけを頼りに、少女は歩き続ける。
たどり着いた宿場町・シルヴェント。
そこでスリの少年・ミロと出会い、少女の旅路は思わぬ波紋を広げていく。
消えた人々。忍び寄る魔の手。
街最強の剣士との対峙、甦る過去の英雄。
そして姿を現す“漆黒の騎士”。
——誇りを胸に、少女は剣を抜く。
銀の閃光が闇を裂く、まだ名もなき冒険の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!剣を振るい、血に塗れ――それでも今日も、食べて、笑う。
金髪の少女剣士、アルテア。
彼女はとても強く、心優しい。
子供たちにも慕われ、食いっぷりも良い。
ひとたび剣を握ると、優雅に舞うように次々と敵を斬り伏せる。
だが――そんなに簡単な世界じゃない。
彼女は旅をしている。ある人を探して。
その道程は、ときに苦しく……
アルテアの強さだけで全てが解決する世界なら、どんなにいいか。
けれども、ここに世界のリアルがある。
ご都合主義には進まないからこそ、目が離せない。
その苦しみこそが、彼女の強さの源なのだと感じた。
出会った仲間、別れた仲間。
飄々とした振る舞いに秘めた想い。
彼女の旅は、まだ、続く――。 - ★★★ Excellent!!!王道ファンタジーがお好きな方は必見です——心を奪われます。
女神のような美しさと、群を抜いた剣術の強さを誇る主人公・アルテア。
天性の人たらしであり、鋭い観察眼を持つ彼女が、周囲の事件を解決しながら
「ある人物」を探して旅に出る物語です。
彼女が巻き込まれるトラブルは、一筋縄ではいかないものばかり。
それでも、チート能力などではなく堅実に勝利を積み上げていく様子は、
心地よい緊張感とカタルシスを与えてくれます。
街の人たちと交わされる温かな会話、人間のふとした優しさ、遠くにある「銀髪の騎士」の面影。
ネタバレになるので多くは語れませんが、
「とにかくたくさんの魅力が詰まった」一作です。
※本作のもう一つの魅力が、美味しそうな料理の描写。
シチ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「さて、私は君の恩人なわけだ。お姉さんの言うこと聞いてもらおうかな?」
市場の喧騒の中、ボロ布のような服を着た少年がひとりの旅人にぶつかる。
彼の目的は盗み。
だが、盗んだ相手はただの旅人ではなかった。
少年が金の袋を男たちに奪われようとしたとき、先程の旅人が現れる。
「その子——私のお金、持ってるんだ。返してくれる?」
金色の髪、澄んだ青の瞳、凛とした気配。
幼い頃に聞いた物語の女神か、あるいは空から舞い降りた妖精のようだった。
「私はアルテア。旅人だよ」
「俺、ミロって言うんだ!」
——運命の出会いが、物語を始める。
少女と少年が紡ぐ、強くて優しいバトルファンタジー、ここに開幕。