金髪の少女剣士、アルテア。
彼女はとても強く、心優しい。
子供たちにも慕われ、食いっぷりも良い。
ひとたび剣を握ると、優雅に舞うように次々と敵を斬り伏せる。
だが――そんなに簡単な世界じゃない。
彼女は旅をしている。ある人を探して。
その道程は、ときに苦しく……
アルテアの強さだけで全てが解決する世界なら、どんなにいいか。
けれども、ここに世界のリアルがある。
ご都合主義には進まないからこそ、目が離せない。
その苦しみこそが、彼女の強さの源なのだと感じた。
出会った仲間、別れた仲間。
飄々とした振る舞いに秘めた想い。
彼女の旅は、まだ、続く――。
女神のような美しさと、群を抜いた剣術の強さを誇る主人公・アルテア。
天性の人たらしであり、鋭い観察眼を持つ彼女が、周囲の事件を解決しながら
「ある人物」を探して旅に出る物語です。
彼女が巻き込まれるトラブルは、一筋縄ではいかないものばかり。
それでも、チート能力などではなく堅実に勝利を積み上げていく様子は、
心地よい緊張感とカタルシスを与えてくれます。
街の人たちと交わされる温かな会話、人間のふとした優しさ、遠くにある「銀髪の騎士」の面影。
ネタバレになるので多くは語れませんが、
「とにかくたくさんの魅力が詰まった」一作です。
※本作のもう一つの魅力が、美味しそうな料理の描写。
シチューや黄金のオムレツの香りが、画面越しに空腹を刺激してきますので要注意……!!
市場の喧騒の中、ボロ布のような服を着た少年がひとりの旅人にぶつかる。
彼の目的は盗み。
だが、盗んだ相手はただの旅人ではなかった。
少年が金の袋を男たちに奪われようとしたとき、先程の旅人が現れる。
「その子——私のお金、持ってるんだ。返してくれる?」
金色の髪、澄んだ青の瞳、凛とした気配。
幼い頃に聞いた物語の女神か、あるいは空から舞い降りた妖精のようだった。
「私はアルテア。旅人だよ」
「俺、ミロって言うんだ!」
——運命の出会いが、物語を始める。
少女と少年が紡ぐ、強くて優しいバトルファンタジー、ここに開幕。