出会いと別れを繰り返す度、その一閃は重く、鋭く研ぎ澄まされていく―。

ある人物との再会を果たすため、主人公アルテアは銀の剣を相棒に、多くの町を訪れ、その手がかりを探し求めて旅を続けます。

道中で出会う人々との温かな交流が描かれることもあれば、迫力のバトルが繰り広げられたり、時に生々しくも悲しい別れが描かれたり―。
とにかく、多くの魅力を内包した冒険活劇といえる本作。

ただし、美女が卓越した剣技で、次々と人々を華麗に助けるということもなく、救えなかった命もある、という事実をきちんと描写している点が、非常にリアルで心を打ちます。

「ああ。彼女は生きていて、心技を磨く旅の最中にあるのだ」と。そんな風に感じさせてくれる、生きたキャラクターです。

そして主人公だけでなく、出会うキャラクターは誰もが個性的。また、時折挿入される飯テロという名の食事シーンも、彼女の旅路と食卓に彩りを添えています。

今後、彼女はどんな出会いと別れを経て、目的の人物と再会を果たすのか―。
物語の行く末が非常に気になります。

未読の方は、ぜひお読みになってみてください。

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