青いウミガメ

フリーランスのWebライターは、千葉県にある海辺の街を訪れていた。
コロナ禍で総合博物館が閉館することになり、その取材をするためだ。

街の小さな博物館がパンデミックで閉館する悲劇……アクセス数を稼ぐシナリオとしては悪くない。
打算的な企みを抱えながら、ライターは小さな喫茶店を訪れる。店員の女の子と仲良くなりながら取材を進めていた。

ある日、喫茶店の中に青いウミガメが設置されていることに気付く。

「お父さんが買い取ったの」

店員の女の子は素っ気なく説明するが、そのウミガメには秘密があって……。