とある老舗の店先で[KAC2025-1]

老舗のあられ店に、冒頭からひとクセある客が現れます。雛あられについての知識をひけらかしたくて仕方がない様子で、成り立ちや色の意味を次々に問いかけ、まるで店主を試すような口ぶり。

そんな客を、店主はなんだかんだとうまくいなし、軽妙なやりとりが続いていきます。そして迎える結末は、思いがけないものでした。

しかしながら、1500字という短い文章に、伏線が巧妙に張られているので、最後にすべてが腑に落ちるような心地よさもありました。

その結末は、ぜひご自身の目で確かめていただければと思います。読後には、きっと心がふわりと温まることでしょう。

舞台は浅草。
私も大好きな東京の下町でございます。
そこのお煎餅やさんに、甚平姿で「シケてやがんなあ」と風を切って男が入ってきたところから物語の開幕にございます。

非常に荒々しい男の入店に、店員も正直困惑しておりますが、

この男、みょうに雛霰の成り立ちに詳しいもので……？

果たしてこの男は何者なのか。なぜ、ここにきたのか。

私が店員だったらたまったものじゃござんせんが、下町情緒溢れる『体温』を感ずる文章に、
この先生独特の、突然切られる鋭利な言葉も良いアクセントです。

ご一読を！！

とある老舗の「あられ」屋の店先で繰り広げられる、客と店主の攻防戦開幕！

とんでもないモンスタークレーマーかと思いきや、客は素直に気持ちを表せない性分なようで……！？

雛祭りの時期お馴染みの、あられと菱餅に詳しくなる舌戦の結末を、是非見届けてください。

ほんのりあたたかな気持ちになれる人情物語です。

老舗のあられ屋の店主の前に、ひどく口の悪い客がやって来たが……
乱暴な口調ではあるが、どうやら雛あられのウンチクを語りたいらしい。

その客は雛あられの色の由来をクイズにしたりと、どうも彼のやりたいことが店主にはわからない。


感想：客が語る雛あられの由来や色の意味に、思わず「へぇー！」
だめにもなる上に、そのうんちくがオチにもなっていて、読後感が絶妙におもしろい。
オススメです🌲🎎

老舗七代目のもとに訪れたのは、厄介な冷やかしかと思いきや……。
なんとも心温まる白昼の邂逅。

素敵なお話です。

ずいぶん口の悪いお客さんがやってきます。
ひなあられに関するうんちくは、聞いていて「なるほど」と思いました。

よくわからないけど、昔からの風習だからと何も考えずにひなあられを頬張っているそこのあなた、こちらを読んで、次のひなまつりに誰かに披露すれば、感心されること間違いなしです！

さて、お客様はどちらにお帰りになられたのでしょうか？
それは、読んでみてのお楽しみです。

老舗のアラレ屋にガラの悪い客が現れた！

落語のようにポンポンと客と店員との間で
テンポよく繰り出されるウンチクは
とてもタメになるのです！

読んだあとは気持ちよく！
そして雛あられが食べたくなりまっせ！
寄っていきなはれ！
読んでいきなはれ！

　雛祭りというと、ピンクや黄緑色と、カラフルなイメージが伴うものであります。

　でも、どうしてその色なのか。ひなあられって、なんのために食べるのか。
　改めて考えると知らないことがたくさんあることに気づきます。

　本作では、突然店にやってきた男からクレームをつけられ、唐突に「うんちくバトル」を仕掛けられます。

　その際に菱餅などの持つ意味。そこについた色の話。様々な知識が出てくることに。

　読んでいる内に雛祭りについて詳しくなり、最後には思わぬ仕掛けも。

　さて、このうんちく大好きな男。彼の正体は一体……