概要
その島には、鬼が満ちている。
台湾在住二十年の筆者が集めた、台湾の鬼(幽霊、妖怪のこと)の話を、百話紹介します。
幽霊や妖怪がファンタジーの中の存在になってしまった日本や、神仏の存在を忘れてしまった中国とは違い、常に死者に向かって祈り続けている台湾においては、鬼はごくごく身近で日常的な存在で――毎夜毎夜、台湾の街を、山を、海を、鬼達は堂々と彷徨い歩いているのです。
日本の怪談に飽きてしまった筆者が、恐る恐る首を伸ばして覗き見た、そんな台湾の鬼たちの物語を、是非お愉しみ下さい。
幽霊や妖怪がファンタジーの中の存在になってしまった日本や、神仏の存在を忘れてしまった中国とは違い、常に死者に向かって祈り続けている台湾においては、鬼はごくごく身近で日常的な存在で――毎夜毎夜、台湾の街を、山を、海を、鬼達は堂々と彷徨い歩いているのです。
日本の怪談に飽きてしまった筆者が、恐る恐る首を伸ばして覗き見た、そんな台湾の鬼たちの物語を、是非お愉しみ下さい。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『聊斎志異』や『唐代伝奇集』がお好きな方に、激推ししたい怪談集。
鬼模様、人間模様、さらに台湾の歴史や風俗や信仰・儀式が濃密に絡まりあった、大変面白い作品です。
近年映画やゲームで台湾ホラーが話題作にあがるのをちょくちょく見ますが、この作品が紹介してくれるような、豊かな「怪の文化」があるからこそと納得。
わたしは残念ながら、現代中華圏の小説をあまり目にしないので、縊鬼が現代でも活躍している話に少し感動してしまいました。
(縊鬼は生者にとりついて首を吊らせる鬼、幽霊)
昔の中国を舞台にした作品を書いている日本の作家さんは多いのでそこで目にすることもありますが、現代においても尚も活躍しているのを見るのはこちらの作品が初かと。
語りも秀逸で、解釈によって…続きを読む - ★★★ Excellent!!!台湾異国情緒の中に紛れる死者たちの記録
これは現在、台湾に住んでいる日本人の
作者の長きに渡る異国での生活で見聞き
した、
ちょっと珍しい『台湾怪談』だ。
台湾と言えば、日本とは古くから縁のある
東南アジアの島国で、今でこそ旅行客に
最も人気の高い国の一つである。一方、
台湾怪談について、これほど身近に詳細に
記した本があっただろうかといえば、余り
見た事がない。
台湾人作家が書いた『怪談』は勿論あるが
この作品は、日本人としての作者が感じた
異国の幽霊や怪異に対する 驚き の様な
ものも併せて感じられるだろう。
その分、身近に感じられるのか。
台湾は、言わずと知れた道教の国であり、
趣は違えど日本同様に寺が多いが…続きを読む