概要
殺人事件に挑む探偵に聞こえる作者のグチ。現実と虚構が交錯する結末とは
標高1000メートルの霧深き山荘で、社長・高木が密室内で刺殺された。ドアも窓も内側から施錠され、足跡すら消えた不可能犯罪に挑むのは、探偵の橘透と助手の宮沢。部屋の床に残る油の跡と不可解なブランドバッグが、血塗られた計画の存在を暗示する。橘の思考をかき乱すように謎の“声”が届き、物語の外から誰かの生活苦が干渉してくる。密室殺人と奇妙なブランドバッグ、そして遠くの“声”が示すもう一つの現実は交わるのか。探偵が突き止める真実の先には、現実と物語が交錯する結末が待ち受ける。