第4話 その後
戻られたお二人は、すっきりして笑顔で席に着かれました。私はブランドコーヒー☕️を入れて少しだけご説明を。
不思議な事に、二人とも出会った場所のベンチに座り話をしていただけだそうです。せっかくの思い出の
ただ、その笑顔から、これからの人生をお互いに何かから解放されたような感覚で過ごしていくと誓ったそうです。
好きになり過ぎて、すれ違いがによって気持ちが離れていく。ある程度、気楽に付き合う方が長くいられるのかも知れません。
もう会うことのないと解ってる二人。別々の人生を歩んで行き、幸せになる事でしょう。
先に男性は立ち上がり、女性に軽く微笑んで帰られました。その後女性が、コーヒー☕️を飲み干して、私に質問、いや、お願いを。
【別料金を支払います。未来を知りたいのです。もう生涯あの人と出会う《再会》こと無いのでしょうか?】
これは、本来は別料金いただいても、お伝えすることは出来ないのですが、何か特別な感情が女性から伝わってきました。
難しい決断です。ただし、こちらの女性の目から伝わってくる願いは伝えなければ私が後悔することになりそうです。
イレギュラーではありますが、先ほど退席された男性には絶対に話さないという契約書にサインいただき私はある行動を決意しました。
無責任なことは伝えることは出来ないと思い、私が35年ほど先の未来を見てくる事にしました。私なら未来に何か問題が起きても対処出来ると判断したためです。
それでは今から行って来ます。
………………………………………………………
再び現在に戻って来ました。女性からするとほんの数分待っていたそうです。システムを理解していても目の前の私が突然消え、再び現れたのはさぞびっくりしたことでしょう。
女性には正確に、私的感情無しに伝えました。未来のことです。少しでも間違ったことを伝えてしまい何かを変えてしまうことは危険です。
二人はその後、お互いそれぞれ結婚して別々の幸せな家庭を築き…とはならなかったのです。
男性は結婚せず独身を…こちらの女性は結婚しましたが、その後数年で離婚しました。事情は詳しくは解りませんが、双方合意しての離婚だったそうです。
そして、お互い定年後に、ある場所でばったりと出会ったようです。あのベンチです。男性は思い出を大切に出会った日、時間に合わせて毎年必ず来ていたそうです。
女性は両親の面倒を見ることでずっと忙しくしていたそうですが、ある日、何かに導かれるようにあのベンチに行ったそうです。
そして、その日は偶然にもお二人が出会った日でした。年齢を重ねましたが、面影で、すぐにお互い気がついたようです。
そして二人は…こちらの女性には、この先は伝えなくても良さそうです。
女性は満面の笑みで、私に、
【では、私はその
席を立ち上がり、嬉しそうにペンダントを見つめながら、ペンを取り何かを書いて、
そのメモを男性の座っていた席に残して、私にお辞儀をして店を出て行きました。
人生遠回りしても、本当の幸せに出会うことってあるんだと感じます。
あの女性なら契約書は必要なかったようです。
ところで、私の見て来た未来は…
いや、やめておきましょう。
楽しみは取っておきましょう。
次の更新予定
あの頃の夢を ラグランジュ @space-time
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。あの頃の夢をの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます