概要
大司祭だけが対話できるという神は、人々の願いに応えるような奇跡を行う。
しかし、実はカラクリがあって――――
カクヨムコンテスト10短編 応募作
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!大一番のショータイムを成した神官(スタッフ)達に、ブラボー!!
非常に楽しませていただきました。
大神官による、神からのお告げは十中八九当たるという。
……当然奇跡を起こしてくれる神などいない。
そこには、「奇跡を起こすために奮闘する裏方達」がいたのだ!
が、ある時、舞台監督の大神官が、「ペガサスを降臨させる!!」などと無茶なお告げを言ってしまったばかりに、現場は大混乱を招く!!
今まで幾度となく「奇跡」を起こしてきた「俺たち」は、このお告げを実現できるのか……!!?
情景描写もさることながら、非常にドラマチックというか、『演劇的』なんですよね!
後半は思わず声が出ました。
ご一読を!! - ★★★ Excellent!!!神の奇跡を(人為的に)起こす彼らが、真の感動を巻き起こす!
大司祭が告げる神託を、「おっけー、なんとかするぜ!」と裏で奔走して現実にする、教会専属職人たちのお話です。
まず、この発想がおもしろいです。
まじめな人なら「詐欺じゃん!」となりそうところ、知らなければみんながハッピーな世界観。
ところが大司祭、きれいなお姉さん信者の前で、むちゃな神託を言ってしまい……。
結果、仲間と共に主人公は奔走するはめになってしまいます。
ふと、文化祭の前日とか、演劇部の大道具係とかの、あのわちゃわちゃした熱気を思い出しました。
終わり方もすごく素敵で感動的です。
このお話を読んで、ぜひほっこりしてください! - ★★★ Excellent!!!月夜に翔べ、ペガサスよ。流星のように、矢のように。
本作は奇跡の裏方、神の威光を支える職人さんたちの物語です。
どこか影のあるリーダーと、専門技術を誇る仲間たちが、唐突な無茶ブリに頭を抱え、神経をすり減らし、それでも力を合わせて、神さまを信じる人のために願いを叶えていく姿が描かれます。
人は奇跡を起こせるのか。いや、奇跡を起こす人こそ聖人とされるのですから、本作の登場人物は、誰もがまったくそんなこと思いもしていないのでしょうが、自らの行動で聖人たらんとなり得ているのです!(?)
クリスマスが近いこの季節、皆さま、異世界の聖夜を見上げるのもまた良き哉、と思います。