虐げられヒロインと封印を解かれた「禍ツ神」さまの和風ロマンス



健気な主人公がようやく報われる和風ロマンスファンタジーが好きな方に読んでほしい一作です。


主人公の真桜には、結界を張る「結びの力」と呼ばれる特殊な力がありますが、父や腹違いの姉にその力を利用されています。

これがなかなか酷い扱いで、父から真桜への愛情は感じられませんし、義母姉も完全に真桜のことを見下していて、自分本位な振る舞いを繰り返します。離れて暮らす母の命を握られている真桜は逆らうこともできません。読んでいて悲しくなるほどです(;_;)

しかし、そんな扱いを受けながらも長い間父や姉に従い、結界を張ったり丁寧に祠を掃除したりしていた真桜は、健気で非常に応援したくなる主人公です。


この真桜が掃除していた祠が厄災を呼び込む「禍ツ神」をおよそ三百年前に封印したとされる祠で、本編内で姉の行いによりこの祠が壊れます。

これにより、禍ツ神さまの封印が解かれます…!!

禍ツ神さまはずっと祠の掃除をしてくれていた真桜に好意を抱いているようで、真桜にはとても甘めな対応です。





 ~ここから若干のネタバレあり~



この禍ツ神さま、わたくしとても好きでして……!!

なんと彼、力が強すぎて照れると家を燃やしたり天気を崩したりしてしまいます。山に雷を落としたりもできます。

こんなに神様らしい大きな力を持っているのに、真桜と手を繋いだだけで照れてしまう照れ屋なところにギャップ萌えです…!


真桜と禍ツ神さまの関係性の進展も楽しみです。

真桜の心の「(暁翔様と一緒にいると安心するのに、鼓動が落ち着かないみたいに逸るのはどうしてなのかしら?)」という疑問に、「それは恋だーーーーッッッ!!」と食い気味に横から教えたくなりました。くっ、もどかしい…!!でもそれがいい!!


また、この物語には可愛いあやかし要素(もふもふ要素)もあります!

真桜にあやかしと一緒に過ごす時間が訪れるのですが、小さなあやかしたちが「真桜さまのこと好きだよ」と言うシーンには、真桜のこれまでの苦労を知っている分うるりときました。

なんていい子たちなんだ……!!


人間があやかしとなった存在である鬼人など、世界観設定が緻密で、読んでいてわくわくします。これぞ和風ファンタジーの醍醐味ですね。

今後の展開も楽しみにしています。



和風ロマンスが好きな方、ぜひご一読ください!


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