契約婚から始まるすれ違いカップルのじれじれニューヨーク生活


【ネタバレなし紹介文】

すれ違いカップルが好きなあなたはぜひ読んでください!!

物語当初、主人公・小春は勤務先でのパワーハラスメントにより自死を選ぼうとしています(小春の勤務先での状況が悪化する様子も事細かに書かれており、リアルでした…)が、そこで彼女はこの物語のヒーロー・弁護士の若佐先生と出会います。

若佐先生は小春の命を二度救い、彼女の話を深く聞きます。
若佐先生の「どうして、世の中はそうやって性格に難のある人ばかりが上に行って、優秀な人材ばかりが損をしてしまうんですかね」という言葉に私まで確かに……と頷きました。小春のような一生懸命な子が追い詰められてしまっているのは胸が痛みます。

若佐先生がそこで、無償で裁判を引き受ける代わりに、契約結婚を申し込みます。所属している法律事務所の所長から孫娘との縁談を執拗に勧められており、それが断ろうにも断れずに困っているとのこと。

二人は契約結婚し、同居を始めますが、距離感はあくまでも“契約結婚”のそれです。

さらには若佐先生は1人でニューヨークに3年も出かけてしまいます。小春はついて行きません。

最初の頃はこんな感じの二人が、どのように距離を縮めるのかがこの物語の見どころです!!ぜひ読んでください!!




【細かいネタバレあり感想文(※未読の方は先に本編を読むことをおすすめします)】

同居して最初の頃の小春……
「料理を焦がし、洗濯物を色落ちさせ、更に掃除機に衣服を詰まらせて壊してしまった」←ドジっ子すぎて可愛いです(笑)

また、若佐先生が労働関係の裁判を担当したのは今回が初めてかもしれないという描写があり、「えーーーー💓💓💓も、もしかして勉強して準備してくれたの⁉️💓」とここで私は若佐先生にあっさりと落ちました。

若佐先生から離婚届を突きつけられた時、「若佐先生に救ってもらったのに何も恩返ししないまま別れてしまっていいのだろうか」と葛藤する小春。いい子だ~~~と小春も大好きになりました。

そして小春、まさかのニューヨークに行ってしまうという!!行動力すごい!!

「アメリカは日本のバスとは違って降車ボタンじゃなくて紐を引っ張る」など、私の知らないアメリカ生活が描写されていてワクワクしました。

ニューヨークでの再会も激アツです。会えてよかった。



ここで始まる若佐先生視点。

最初は小春の親に甘やかされて育ったがゆえの世間知らずさにイラついていた若佐先生も、小春の上達した手料理や書き置きに心が揺れていた様子…

「訴訟大国と言われているアメリカで修行したら小春の言う素敵な弁護士になれるだろうか」←あっっっそれでニューヨーク行ったの!?!?

若佐先生の気持ちの変化が知れて嬉しかったです。若佐先生は小春の裁判が思うようにいかなかったことをずっと気にしていたのですね……。



少しずつ距離が縮まる二人。

「貴女の作った食事が口に合わなかった事は、これまで一度も無かったので」←こんなの言われたら絶対嬉しいですやん!!

他人行儀だしもう少し気楽に話さないかと提案し、お互い名前で呼び合うことになったシーンでは、若佐先生の敬語が外れる瞬間が胸きゅんすぎて悶えました。や、やばいです、素だとそういう口調なんだ。萌えです。


「邪魔になるなら最初から声を掛けない。いいから、もっとこっちに来い」←きゃああああああああ!!!
な、なんか距離感詰めてきてませんか!?!?

さらにはメガネを外した方が好みなら、2人の時は外すようにする……なんて言い出しまして!!/(^o^)\うきゃあああ

他にも車に轢かれそうになった小春を心配したりと、愛情深さがうかがえます。
私はこの二人を見ていて「やーんもう付き合っちゃいなよ!あっ結婚してたか……」を繰り返しました。

細かいところですがジェニファーにやや振り回される若佐先生にも萌えました。



「恩を返したい」から徐々に嫉妬心が芽生えたりと、小春の気持ちの変化にも注目です。

自分の存在(自分の裁判)が若佐先生を責めていた、と思った小春は、若佐先生に好きだと言えません。ここでまたすれ違う二人……すれ違いカップル好きにはたまらん展開です。

そして小春は若佐先生から離れようとしますが、

一方その頃先生は、
「また小春に好きとも愛していると言えなかった。起きてから言えばいいか」
と考えていました。

先生!!だめだ!!小春が行っちゃう!!と私が焦りました(笑)



ここからのラストシーンが私は特に大好きです。

日本への直通便が出ている空港は二箇所。間違えてはいけないと思いながら、先生は小春を追います。

空港で再会した二人は思いを伝え合って結ばれます。ついに!!

やっぱりすれ違いカップルは時間をかけて結ばれたその瞬間がとってもおいしいですね。


素敵なラブストーリーでした。ごちそうさまでした。