作中に繰り返される「ごめんなさい」という言葉、……切ない
- ★★★ Excellent!!!
台風後の坂道や廃れた家屋、擦り切れた靴音といった情景描写も、荒廃した時代の空気感を見事に映し出していました。
作中に繰り返される「ごめんなさい」という言葉。この単純な一言が、登場人物たちの信仰や後悔、そして抱えきれない罪の意識を象徴しているきがして、その静かな重みが胸にじわりと染み込みました。
そんな冷たいハードボイルドのような現実感の中、一見して奇妙で不可解な出来事が織り込まれ、この世界の境界線が危ういものの上に成り立っていることを感じていると、それは単なる幻想に留まらず、男たちの心に巣食う葛藤や、過去と向き合う痛みが象徴的に描かれた、物語の核となる重要な要素であったのだと知りました。
そうだ。これはホラーだったんだ。そんな冬の景色のような読後感がのこりました。
なかなかカクヨムでは見かけない硬派でかっこいいタッチの作品です。短編でもありますし、ぜひ一度読んでみてください✧*。٩(ˊωˋ*)و✧*。