許されぬ者たちの夕暮れ

  • ★★★ Excellent!!!

戦後の混乱や人の罪がテーマになったこの物語は、異形の橘を中心に進んでいきます。

不気味で神秘的な橘の存在が、登場人物たちの後悔や喪失感を浮き彫りにしつつ、どこか切なさも感じさせます。

村では『謝ること』が日常になっているけれど、その背景にある人間模様がじんわり胸に迫る。

怖いだけじゃなく、弱さや希望も描かれていて、読み終えた後も余韻が残る一作です。