文章には書き手の身体性があらわれると思っているのですが、この作品には強くそれを感じました。シンプルであって、無駄を削ぎ落とした文はまさにバレエかダンサーの踊り手にように研ぎ澄まされており、分頭から文末まで一本通った鋭く細い垂直の線が、何気ない人生の一コマにたおやかな緊張感をもたせています。それが弦楽器のテンションのように、登場するふたりの変化を短い中でとても美しく描いています。素直に美しいと思いました。おすすめです。
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