6.ゴルファー桃太郎 ≪後編≫
【それまでの
「おまえらの
「
「ああその通りだぁ…だがこれから必ず成し
——いや威勢の割に説得力が薄いな!? ゴルフはどうでもいいって言われてるじゃねぇか!?
「桃太郎…? ふーん、するとあんたは
——え? 何そのまた新しい設定。
『
——言ってて馬鹿馬鹿しくなるなこれ。そんな出生の主人公に好感持ちにくいって。
「そうなんか…ほなら今回はその名前に免じて見逃したるわ。その代わりうちも付いて行って、あんたが鬼に勝てるんかきっちり見届けさせてもらうで」
『
——なんか意味深な感じで仲間になった!?
【
『やい
——ゴルフ場の前で宣誓していると思うと恥ずかしいにも程があるな…。
【すると《鬼ヶ島カンツリークラブ》の支配人である鬼が、桃太郎達の前に立ちはだかりました】
「ようこそお越しいただきました桃太郎御一行様。ですが本日は
——鬼めっちゃ
『このまま大人しく引き下がるものか! 僕はおじいさんとおばあさんの
——強引に主人公ムーブしてるけど、おばあさんと鬼との間には直接的な因縁はないんじゃないのか?
「ほう…
『
——だから勝負の背景が複雑過ぎるんだよ!? 何のために戦ってんのか
「お連れ様にも腕に覚えのある方がいらっしゃるようですので、ここはスクランブルスタイルで勝負を決めるとしましょう」
【説明しよう! スクランブルゴルフとは団体競技であり、チームメンバーが
——紙芝居で特殊なゴルフのルール説明すんなよ!? そしてそのためのフリップを
【こうして桃太郎はプロゴルファーだった猿と共に、支配人を含めた鬼達とのタッグマッチに挑むことになりました】
——よくよく考えたら犬と
「今回勝負に使用するのはこの1,185y・Par4、崖越えのスリルを味わえるミドルホールといたします。それでは
——やけくそな距離だな!? 鬼の支配下ゴルフ場だからって盛り過ぎだろ!?
【鬼チームの1打目の結果は、フェアウェイ真ん中・残り527yの位置に付けました。対する桃太郎チームは、プロゴルファーだった猿から打つことになりました】
「
「だがこのままだと2打目でグリーンに
「しかもこれ500yは飛ばさんと崖を超えられへんやないの!?
——もう紙芝居じゃなくてゴルフの実況解説になってるじゃねぇかよ!?
「いや、勝負にしてみせよう…そのための《KIBI-DANGO》の力、いまこそ見せる時! 一世一代のティーショットを
【プロゴルファーだった猿が放った
「くっ…我がゴルフ人生に…一片の…悔いなし……!」
『よくやってくれた、プロゴルファーだった猿…あとはこの僕に任せてくれ』
——案の
【続く桃太郎も《KIBI-DANGO》の力で崖越えを果たし、残り605yとなるフェアウェイ左に落としました。よって桃太郎の1打目を採用し、ゲームはセカンドショットに移りました。しかし鬼の支配人は持ち前のパワーと地の利を
「おっと、私としたことがつい本気を出してしまいました…ですが、遠慮なくバーディチャンスとさせていただきますよ」
「こいつはまずいぜぇ…桃太郎がグリーンに
『くそっ…
——自分で
【苦心する桃太郎がアドレスに入ろうとしたそのとき、足元から湧き上がってきた不思議な
『なんだ…これは…!?』
【思わず
「やはりな…あんたにはうちが思った通り、
『
「この崖越えホールは最初からそう造られたんやない…
『そうか…つまり僕自身も、鬼への因縁があったというわけか…! それならば故郷を奪われた怒りを、この一打に込めるまでだ! 行けえええええ!!』
——なんか突然のご都合主義で盛り上がってるんだけど!?
【桃太郎の放った
「
『やった! やったぞ! 鬼に勝ったんだ…!!』
——勝って嬉しいというより、やっと終わるのかという
「
【
『ゴルフ場は鬼の手から解放させてもらう。だが
【こうしてゴルファー桃太郎は鬼達と和平を結び、生きとし生けるもの
——なんか上手いこと
「よーし、最後まで読み終えたな! おまえらどうだったよ、我が学友会の
リハーサルを終えて一息を
「んだよこのストーリー…劇的な展開過ぎて涙がちょちょぎれるぜ…」
「今までに読んだことのない秀逸な作品だ…制作陣が
『なぁすまん、本当に感動できる要素あったのかこれ?』
「そうかそうか。キャンはどうだったよ、《ゴルファー桃太郎》」
『もう正式なタイトルも隠す気ねぇじゃねぇか』
後方で終始表情1つ変えることなくリハーサルに
「その紙芝居やるくらいならみ●ゴルやった方がよくね?」
『いやそれはそれで元も子もない感想じゃねぇかよ!?』
*****
翌日、学友会の面々によって紙芝居《ゴルファー桃太郎》は
MORATORIUM CRISES 吉高 樽 @YoshidakaTaru139
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