概要
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- ★★★ Excellent!!!大切なものが消えた空白へ記されたのは──熱い歪み
本作は、山中を進む男の心情を記した物語です。
主人公である五島弘樹は、亡き妻と娘の仏壇に手を合わせた後に山へ向かいます。
物語が進むにつれて示される、ラジオの音、除雪の足音、食卓の習慣。
もはや彼には失われた日常。
しかし、それが五島の心の寄す処だと示されます。
ここておいて読む者は知るのです。
彼のとって価値あるものはもはやこの世にないことを。
その日、五島は私有地の管理のために山に入ります。
そこには、不法に侵入した者たちがいます。
無法な山菜泥棒に対しても、酔った若者たちに対しても、彼はぎりぎりまで対話を行います。
彼は誠実で忍耐強い。
冷静に道理を説きます。
だからこそ、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!私有地には関係者以外は立ち入り禁止⋯⋯のはずが⋯⋯
山の描写もリアルで、川や山菜、私有地が荒らされる切なさ
弘樹さんの奥さんや娘さんを亡くした喪失感にも、やるせない想いが強く伝わってきました。
看板を立てても柵や網を作っても入ってくる侵入者は
アメリカの山男でもそうですが、広いほど私有地に、密猟者や不法侵入者が後を絶たないみたいですね。
それに田畑でも、不法投棄や盗難などの被害がニュースでよくあります。
優しくて人の良さそうな弘樹さんの、心の変化
赤い二文字にゾゾゾ⋯⋯
彼には小鳥や小川のせせらぎ、澄み切った空気を感じるトコロ
ある意味解放された、ココロ。
この先危険立ち入り禁止に続く【赤い二文字】に
不法侵入者はトラップとは思わないでし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!喪失が生んだ“空白”が静かに狂気へ変わる物語 🌲🕳️
『空白』は、山に掲げられた何気ない「立ち入り禁止」の裏に隠された喪失と狂気の物語です 📚👻
山という閉ざされた空間と、「立ち入り禁止」という何気ない言葉が、物語の中ではじわじわと重みを増していき、読み手の想像力をじっと見つめ返してくるような構成になっています 🌫️🌲
印象的なのは、恐怖の“音量”が決して大きくならないところです。血が飛び散るわけでも、派手な怪異が暴れるわけでもないのに、人の心の中に生まれた“空白”が、何よりも恐ろしく感じられるように描かれている 🤔💔
失われたものの大きさ、その後に残る虚無感、それに耐えきれず少しずつ歪んでいく心――そうしたものが、説明しすぎない筆致で淡…続きを読む