世界観が重厚でストーリーも巧み。それはさながら美しい音楽のよう……!

婚約破棄を言い渡された伯爵令嬢のリラ。
そんな彼女の前に現れた、正体不明のカストラート。
それだけでも引き込まれるのに、10年前の事件という、ミステリーまでプラスされている極上の物語。
こんなお話、なかなかお目に掛かれないんじゃないでしょうか?

おまけに、作者様の音楽への愛と造詣が深いので、ふとしたエピソード(舞踏会やチェンバロのお稽古など)が臨場感あふれていて、ページをめくる手が止まりません!
まるで自分が主人公のそばに立って、一部始終を見ているような……。
下地となる世界観がしっかりしているので、そこに咲くストーリーの美しさがさらに際立っているんですよね。

奇しくも、主人公の名前はリラ。
彼女がこれからどんなふうに咲き誇っていくのか、とても楽しみです!

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