渡森さんのレビューにつられて読みに来ました。
せっかく丹精込めて作り上げた良質なワインが、粗悪品へと変貌してしまう「悪魔のワイン」現象。巷で騒がれるこの現象について、調査を命じられた研究者レイが本作の主人公です。
妻ステラとは政略結婚で子どもはいませんが、ほどほどの距離感ながらも信頼関係が根底にあるようで、30代にして良い意味で老夫婦のような雰囲気が漂っています。
そんな2人が、謎を解き明かすためワインの産地に向かいます。
なんだかワインについて詳しい方が書いていそうな雰囲気……お話を楽しみながら、その世界を垣間見て勉強にもなりますね。
それぞれにとっての「我が子のような存在」が、今後どのように描かれていくのか楽しみです。
時は1863年9月。
フランスでは、せっかく作ったワインが飲むに堪えないシロモノに変貌する、その名も「悪魔のワイン」という異常事態が起こっていた。
この謎を解くために、レイという学者が派遣され、妻のステラもついていくことに。
このご夫婦は政略結婚で、お子さんもいない。
でも、ふたりが互いを思い合う描写が身もだえするほど秀逸で温かく、ほのぼのと幸せになってしまうんです!
ああ、こういうふうに日々を過ごせたら素敵だなぁ……と。
ワインの謎も気になりますが、なにげない日常のシーンも素晴らしい!
ぜひぜひ、あなたの目で読んでみてください!
一粒で二度おいしい、素敵な作品です!