この作品って、ホラーなんですけど大爆笑。
いやあ、タイトル通り悪気はないんだから勘弁してよというのが切実に分かります。
そしてラストが。

読んでいて、気持の持って行き処がないのです。
気持悪いのです※褒めています。

お笑い用語で〝天丼〟というものがあります。
同じネタを繰り返すこと、やその構成を指します。

否応なく繰り返される奇異な行為。
それを〝ボケ〟と捉えるか
〝狂気〟と捉えるか
受け手の気持次第で物語の状況が激変します。

本作はそれを意図的に繰り返しているのです。いろんな意味で怖いです。
でも、そこが変な面白さになっている作品でもあります。


ありきたりのホラーやコメディではないそのジャンルの作品を求める方。
それは、ここにあります。

ホラーとしてはかなりの知名度を持つ「今度は落とさないでね」

この怪異をテーマとしているのですが、全体にコメディ風味。
ですが、薄い膜のように包まれたコメディの膜を剥いで見ると、人の狂気や恐怖によるおぞましさがヘドロのように溢れてきます。

さじ加減を間違うと、短編としてくどくなり破綻しかねないところをこれだけ読み応えのある作品としている作者様のテクニックとバランス感覚には驚きしかないです……

ホラー短編、と言うものへの印象を良い意味でひっくり返して下さった名作です。
自信を持ってオススメできる名作です。

前世の記憶が招くサイコホラー。
母親が抱く予感と歪む顔。子どもの心境と不気味にシンクロして赤い寒気を覚えます。

狂気の沙汰に小気味よいコメディ。
ホラーの一辺倒ではない器量から、これらの上質なブランディー感覚をぜひ味わって欲しいです。
本作にはありふれたホラー要素を超える可能性を感じます。

次に人間に生まれ変わるときは、母親の顔を覚えていたくないですね。

たしかに死ぬために生きている。
だがね。
もうちょっとマシな生き方というものが与えられるはずだ。
と希望してもいいとは思うよ。

そういう意味で大変よろしい物語だと思います。

ホラー的な緊張からの解放が心地よい笑いにつながってました。

落ちるなと思ったところでしっかりと落ちるし、オチもしっかりオチてて素晴らしかったです。

「そらそうなるよ」という気持ち、
「流石にそれはやりすぎでは？」という気持ち、
相反する両者がせめぎ合う不思議な読み味。
剛腕によるオチも、この話の締めとしてはアリ。
読んで楽しい掌編ホラーコメディ。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（132文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（221文字）

最初は「転生モノか～」と、高を括って読んでいると次第に様子が変わってきます。ぞわりと怖いモノを感じた矢先……みんな驚くと思います。１話完結ですので是非読んで、青天の霹靂を味わってください。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（70文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（125文字）

殺した子供がもう一度自分の子として生まれてきて、恨み言を言う。生まれ変わりの怪談の、有名なお話。みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

これも、そんな怪談の一つ……、かと思いきや、話は思わぬ方向に転がって行きます。

人が死ぬ話なのにどこかおかしく、ついつい笑ってしまいました。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（106文字）

タイトルでもあり、作中にも登場する「今度は落とさないで」って台詞、よくある怪談だと母親視点で子供に言われるオチに使われるのですが、まさか自分で言って、しかもそれが仇になる物語とは。

相変わらず発想がすごい小説でした。
何度産んでも同じ子供が転生してくるのに、産み続ける母親も狂気じみていて良いですね。

面白かったです。

　すごい転生ものを読んでしまいました。
　こんな転生はいやだ、というお題があったら、これですね！

　とんでもなく悲惨な転生なのですが、読んでいるうちに、途中でププッと笑ってしまった私。
　怖いだけでなく、妙なおかしみが底に流れていて、面白いです。

　えっ、この人どうなるの、どうなるの、とするすると読めてしまう作品。
　ラストで、画像がありありと頭に浮かぶかたは多いはずですw
　楽しめる転生ホラーです。

　巷に出回っている怪談を聞くと、「続きはどうなるんだろう？」、「自分だったらこうするのに」といったことを考えたことはありませんか？
　この物語はまさにそのお話で、前世で自分を川に落とした母親に「今度は落とさないでね、お母さん」と言う赤ん坊の視点で話が進みます。
　その言葉を聞いた母親がどんな反応をするのか……。
　ホラーとコメディがうまい具合に融合していて、話の展開に目が離せません。
　とてもおもしろい作品です。