神の料理人と王のブロマンス

『神の料理人』ルネ・ブランシャール。様々な動植物に眠るマナを元に、魔法を扱える料理をつくれる料理人。
ヴィクトール国王・ヴィクトール・ド・ヴァロワに見いだされ、彼と特別な信頼関係があったことが冒頭で語られますが、その全貌は謎に包まれています。

ヴィクトール・ド・ヴァロワが亡くなって数十年、ルネ・ブランシャールも死にました。
あとに残ったのは、名を棄てた亡霊・アメール。

霊山エスカルデの山小屋で生活するアメールでしたが、ヴィクトールの第五王子にして後継者のエティエンヌ・ド・ヴァロワに見つかってしまいます。
ちょっとしたいざこざの後、仕方なくエティエンヌの元で働くことになったのですが、彼の性格はどうにもつかみ所がありません。

「被さってる見栄とか責任とか、全部取っ払ったら……本当のエティエンヌは、どんな奴なんだろうな」

そう、アメールも溢したほどに。
エティエンヌには共に歩んでくれる友が必要でした。かつての、ヴィクトールとルネ・ブランシャールのような……。

しかし、『神の料理人』ルネ・ブランシャールが何故亡霊となり、アメールとなったのか。その真相は謎に包まれています。
そして、国王としての責務を背負ったエティエンヌが持たねばならない重圧。彼はそれを背負って立派な王となれるのか?

謎と問題が混在するこの国で、アメールは何を成し、エティエンヌとどのような関係を築けるのか?
注目の作品です。

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