第3話

 部活見学期間が終わり、新入部員が確定した。

「よし、いよいよお待ちかねの自己紹介だ!名前と学年と背番号とポジションと言いたきゃ一言だ!」

 小木田先生が指示を出す。


「三年主将の佐野だ。四番でポジションはセカンドとショート。気軽に声をかけてくれ。」

 やはり身長190あるためか、かなり目立つ。


「三年筑波。一番、ピッチャーで一応エース、と呼ばれている。」

 練習の時に俺の投げ込みを褒めてくれた人だ。寡黙そうだが、ただの恥ずかしがり屋である。

 球種は多種多様にあり、才能の卵とも言われてるらしい。


「三年の黒崎だ。七番ポジションはレフト。守備は下手だ!」

 打撃特化の方で、おすすめのバットを教えてくれた。


「三年の向井だ。八番、守備力と足が自慢のセンターだ。外野は全般出来るぜ!」

 向井先輩は四球以外見逃し三振しかしないそうだ。余計な体力は使いたくないらしい。


「三年安達だ。五番、ポジションはサード。サブでファーストもしている。」

 安達先輩は武士のように黙々と練習する方で、あまり話したことはない。


「三年森だ。十七番、ポジションは同じくサード。基本ベンチメンバーだからよろー。」

 森先輩はバントが上手い。………以上。


「三年の相田だ。十八番、ポジションはショート…と言っても公式戦未登板の下手くそだ。あんま野球については期待しないでくれ。」

 部内で一番野球が下手らしい。だから伝令と声だししかしたことないとか。ちなみに、最初の見学の時にはいなかった。


「三年小々本。六番、ポジションはショートとセンター。」

 向井先輩に負けず劣らずの足を持っている。


「二年佐々木。九番、ポジションはライト。」

 当たればホームランの豪腕持ちだ。


「二年新木。三番でポジションはファーストオンリー。」

 新木先輩は身体が柔らかいため、どんな球も捕球するファーストとして活躍している。


「二年の八木ケ谷だ。二番でポジションは唯一のキャッチャー。キャッチングは自信あるぜ?」

 俺の球を受けてくれた八木ケ谷先輩だ。あの後細かく指摘を受けて、野球部に入って良かったと改めて実感した。


「二年菅野だ。十番、ポジションはピッチャー。」

 菅野先輩はストレートとカーブを使う投手だ。


「二年峰岸。十二番、内野とたまにピッチャーとしても登板する。」

 部内の便利屋と呼ばれている。基本野手のため、ストレートしか投げられない。


「二年斎藤。十五番、ポジションはピンチヒッター!」

 打撃はあるし捕球も出来る。しかし、スローイングが下手すぎるらしい。地面に叩きつけるとか………


「二年の馬田だ。十六番でポジションは内野全般。」

 便利屋その二……小木田先生が言ってた。


「よし!次一年!自己紹介したらユニフォームを配るからなぁ。終わったら番号考えとけよ。もちろん、空いてるやつだけでな。」


「一年田辺です。ポジションはキャッチャー。正捕手の座、奪って見せます!」

 一人目から熱いなぁ。


「一年田上です。ポジションはレフト。僕もレギュラー奪いますね?」

 おぉーバチバチだぁ。


「一年の雲井です。ポジションは外野全般です。打撃には自信があります。」

 言葉通りガタイが良い。


「一年の長谷川です。ポジションはサード。僕は守備に自信があります!」

 はえー皆羨ましいなぁ。


「一年の伊那です。ポジションはピッチャー。まだまだ体力が無いので、そこを重点的に頑張りたいです。」

 俺なんてゴロすら捕球するのにミスるからなぁ。


「よし!それじゃ二三年は練習!一年生はこっちに来ーい。」

 小木田先生の指示に一年五人が向かう。

「今あるのは……十一、十三、十四、あとは十九より下だな。どれがいい?」

「俺は十三で!」

 田辺が真っ先に答えた。

「俺は十九を。」

 田上。

「なら俺は二十で。」

 雲井が続く。

「ど、どれが良いかな………」

「二十四はありますか?」

「ん?伊那は二十四が良いのか?」

「はい!」

「分かった。長谷川は?どうする?」

「あぁーんー………じゃあ十四で。」

「分かった、今取ってくるからなぁ。」


 こうして、花里高校野球部の顔合わせが終わった。

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