異形(いぎょう)の羽根
1
"梟(ふくろう)襲撃事件”
それは黒羽メンバーの一人が拉致された事に端を発した。 彼女は乱暴目的で梟たちのアジトへ連れて行かれた。幸い、相手の隙をみて逃げ出す事に成功し、奴等の蛮行そのものは未遂に終わった。
"梟”は当時、かなり危険なグループとして名を馳せていた。夜中に行動する事を主とし、改造バイクを乗り廻して暴行や恐喝などを繰り返しては勢力を拡大していた。そんなアジトから脱出できたのは本当に運が良かった。
だが、隊員からこの話を聞いた黒羽の総長、相良翔子は激昂し、チームのほぼ全員を引き連れて奴等のアジトへ向かった。被害に遭った少女には道案内だけをしてもらい家に帰した。
梟は凶悪なならず者の集まりだ。誰もトラブルを起こそうとする輩は居ない。その中枢であるアジトに、黒の集団が徒党を組んで乗り込んできたのだ。 その数としては梟の半分にも満たない。彼等にしてみれば奇襲を受けたというより、お姉ちゃん達がおっかない顔して沢山やってきたぞ、ぐらいにしか思わず、薄笑いを浮かべ身構える事すら無かった。
だがその笑いが、恐怖で引きつる事になる。
仲間を危険な目に遭わされた黒羽のメンバーは翔子を筆頭に激しい怒りに燃えていた。その狂った様な勢いは圧倒的で、ならず者たちを次々に打ちのめしていった。 ひとり、またひとりと倒れていく仲間を前にして、さすがにヤバいと梟のリーダーが気づいた時には既に遅かった。 ついにはたった一人になった梟のリーダーに、黒羽の総長は「土下座してチームを解散させるか、今ここで首を刎(は)ねられるかどちらか選べ」と詰め寄った。彼女の手には50cm程の日本刀が握られていたが、それが本物かどうか確かめる度胸は彼には無かった。
翔子がやりとりしていた時、背後で息を吹き返した残党が鉄パイプを手に、不意打ちを狙って忍び寄っていく。そして翔子の後頭部めがけて鉄パイプを振り上げながら駆け出した。
「っぐあ"ぁっ‼」
鈍い音とともに悲痛な声をあげて膝まづいたのは五人衆のひとり、木戸 葵だった。
「あおいっ!」
翔子が駆け寄ると葵の左腕からおびただしい出血が見られ、肘から先は妙な方向にだらんとしている。 葵は痛みに顔を歪めながらも大丈夫と言うように右手で翔子を制し、ゆっくり立ち上がってパイプ男に近づいて行く。 ゾンビの様なその動作に「く、来るなぁ!もう一発くらわすぞっ…!」と男は震えながら構えたが、葵は怯まず前に立ち、ギロッと睨みつけた。「ひっ!」 思わずパイプを落とした彼は葵の正拳突きで2メートルも吹っ飛ばされた。
翔子は単車のエンジンをかけ葵を後部座席に乗せると病院を目指してアクセルを目一杯ひねった。 それに続く様に轟音を響かせて黒羽の群れが一斉に去って行く。
一人、ポツンと残された梟のリーダーは何十もの仲間の全滅を前に 「敵わねえ…」と尻もちをついたまま呟いた。
雨が降り出した。
濡れ始めの路面は最も危険だが、翔子は構わずアクセルを全開にしていた。後席の葵はぐったりしている。何とか腰に廻された右手を翔子はしっかりと掴まえていた。後方の仲間たちはすっかり離されて見えなくなっていた。
近道をするため環状バイパスに上がる。 雨は激しさを増し、寒さのせいか出血のためか葵の体はガタガタ震えている。
もう少し。辛いけどもう少し頑張って。
翔子は祈りながら突っ走った。
ふと、対向車線上に一台のバイクが横たわっている。その傍らに男性が倒れているのが見えた。
高速で走りながらも翔子の目はその人物が手を動かそうとしているのを捉えた。 だが今の翔子に他人の事故を構っている余裕は無かった。しかも相手が男だという事もあり、「バカな運転するからだ」と心の中で毒づいた。
葵の怪我の状態は深刻だった。医師によると完全に元の状態に戻る可能性はほぼ無い、との事だった。
葵は左の下腕部分を激しく損傷しており、肘の関節も衝撃で異形を成しているという。翔子は解放骨折という言葉を初めて聞いた。
もう元には戻らない。
絶望的な翔子とは対称的に、処置室から出て来た葵はヘラヘラしていた。
ヤバい麻酔でもキマってんの?と軽口を叩きながらも、厳重に固定された彼女の腕は痛々しく、それ以上言葉が出なかった。
これじゃあもう、バイクには乗れない…。
日常生活もどうなるか分からないのに、真っ先にバイクの事が思い浮かぶ自分に翔子は嫌気がさした。
沈痛な面持ちの彼女に、葵は苦笑いしながら言った。
「姉さんすいません、下手こいちまって。いやぁ完全に油断してましたわぁ」
あの状況下でギリギリのところで立ち塞がって人をかばう。油断してたのは自分の方だ、と翔子は思った。大袈裟に明るく振る舞う葵の姿は、翔子に「あなたのせいじゃない」と伝えていた。
「ごめん…」
思わず声に出し俯く翔子に葵は明るく応える。
「謝らないで下さいって!あたし、自分を誇りに思ってます。後悔もしていません。だから、謝らないで下さい」
翔子は葵を抱きしめたい気持ちでいっぱいだった。だが彼女は重傷を負っているので、代わりに無事な方の手をぎゅっと握りしめた。葵もそれに応える様に力強く握り返してくる。その手に翔子の目から涙がこぼれ落ちた。
―――――― 葵はもう戻って来ないだろう。
片腕だけで単車の運転は無理だし、そもそもこんな危険な世界に二度と戻してはいけない。翔子はそう考えていた。
だが事件から約二ヶ月たったある日、「それ」は突如として現れた。 聞き覚えのあるゼファーのエンジン音を、集会のグラウンドに響かせて。
彼女は右手でしっかりとハンドルを握り、悠然と仲間たちの前に姿を見せた。 特攻服の左袖は、肩の部分から破り取られている。
「葵さん!」「木戸さん!」「葵ねえさん!」
驚きと歓喜の入り混じった仲間たちの声に少しだけ左手を上げる仕草をして葵はバイクを停めた。 そして真っ先に翔子の元へ向かう。
「総長。今、戻りました」
「あおい…」
包帯巻きの、その痛々しい左腕を見つめる翔子に、「姉さん、見て欲しいのはそっちじゃなくてこっち」と葵は右袖をめくって見せた。
それは剛腕と呼ぶに相応しいほど鍛え上げられた右腕だった。 聞けば二ヶ月に及ぶ入院と療養生活の間、リハビリと同時に徹底的に肉体改造に励んだそうだ。 今ではリンゴぐらい余裕で握り潰せるらしい。 更に驚いた事に、先週まだバイクで連るんでいた梟の元リーダーを見つけ、その右腕一本で完全にシメてきたという。これは後に彼女の事を「片羽の悪魔」と恐れられる存在にした。
翔子たちに挨拶を終えた葵は羨望の眼差しを向ける仲間たちを振り返り、「片羽の葵、今ここに見参!」と右手を高々と上げてアピールした。 本人は笑いを取るつもりだったが、仲間たちからは「わぁっ!」と歓声が上がり、逆に照れくさそうにしていた。 その姿を嬉しそうな哀しそうな顔で眺める翔子を、弥生は側で見つめていた。
思えばこの時から黒羽のスタイルが変化した様に弥生は感じている。 元来翔子はメンバー達を家族の様に大事にし、その大事な家族を守るため攻撃的な面が多かったが、「守る」という事に より特化した様に思う。 むやみな争いは極力避け、メンバーの安全を第一に考えて行動する。そのために頭脳戦や心理戦を積極的に取り入れるようになった。
とはいえこの頃すでに"黒羽”という存在自体が大きな抑止力になっていたのだが、翔子の目つきも闇に光る不気味なものから、穏やかな母の様な眼差しへと変わっていった。他の誰も、翔子本人でさえ気付いて無いかも知れないが、彼女をいつも側で見てきた弥生にだけは分かるのだった。
2
「ずいぶん懐かしい話をするねぇ」
翔子が少しだけ目を細めた。
思えばあの頃がピークだったかも知れない。
黒羽も、そして私自身も。
「それで?具体的にあんたは何がしたいわけ?」
自分の思いが受け入れられたと感じ、理沙の顔がにわかに赤みを差した。
「総長、"孔雀”って知ってますか?」
「孔雀?あぁ、あの環バイの都市伝説ね」 翔子はわざとシラケて言った。
「都市伝説なんかじゃないっす!あたしの連れも、黒羽のメンバーにも見たって人が何人もいます!」
何人も、というのは少し盛っていた。せいぜい3人ぐらいで、いずれも「聞いた話なんだけど…」というレベルだった。
「黒羽はいま、この街最強って言っていいぐらいの力を持ってます。街で身勝手な振る舞いをする連中を、力でねじ伏せる事に成功しています」
翔子の思惑とは少し違うのだが、成り行き上 そういう結果に至っている。
「それで?」
「それでですね、黒羽がこんだけ存在感出してるのにあいつは、孔雀は自由に振る舞ってる。環状バイパスを我がもの顔で爆走して、一部じゃ黒羽は知らないけど孔雀なら聞いたことがあるって奴もいるぐらいです」
翔子は何となく話の筋が見えてきた。
「要するに、孔雀が好き勝手出来ない様にもっと黒羽の存在感をアピールしたいわけだ」
理沙は少し表情を曇らせた。
「アピールなんかじゃありません。孔雀をツブすんです!」
"ツブす”
かつてよく耳にし自分も放っていた言葉だが、まるでそれが遠い昔の様に感じられた。 翔子は考えを巡らせて理沙の気持ちも汲みながら言葉を選ぶ。
「その孔雀を、まぁどうにかして大人しくさせたとして、仮にうちらがこの街一番ですっ、てなったとするじゃん?その後はどうすんの?」 翔子は理沙に、その場だけじゃなく先の考えもあるのか知りたかった。
「その後は、隣の街やその向こうを制圧して、この地方の一番になります」
「それから?」
「そ、それから?それから…、それから最後は全国制覇です!」
力を込めて宣言した理沙に「プッ!」と吹き出して横から水を差したのは、副総長の弥生だった。 理沙はあからさまにムッとした。
「何がおかしいんですか?」
「だって、"全国制覇”って。ははっ、いや壮大だなぁーって思ってさ(笑)。そりゃそんだけの野心があれば、おばあちゃんになるまでにはやり遂げれるかもね」
熱い想いを冷やかされて理沙はカッとなった。
「あんたに何が分かる!全国制覇どころか、野心のかけらも無いくせに!」
弥生は真顔になり、腕組みを解いて理沙に向き直った。"やばっ”と、理沙は口を手で押さえる。
「悪いけど」
声を発したのは翔子だった。
「やよは日本一を狙えるタマだよ」
一瞬、空気が固まった。翔子は真剣な目で理沙にうなずく。当の弥生本人は突然の言葉に戸惑っていた。完全に言い切られて、理沙はいまいち飲み込めないながらも 「そ、そうなんですか。それは…失礼しました」と副総長に頭を下げた。
「まぁでも」翔子が話を戻す。
「孔雀の事はあたしも気になってたからね。これからどうするか、一度考えとくわ」
総長に想いが届いた、と理沙の顔がパァッと明るくなった。
「本当ですか!ありがとうございます!ではどうかお願いします!」 そして一歩下がって三人のトップに改めて頭を下げる。
「今日は色々と、失礼なことを言って騒いですみませんでした。ではよろしくお願いします。失礼します」
理沙はバイクのエンジンをかけ揚々と帰って行った。 黙って事態を見守っていた葵は口元に笑みを浮かべて、「どうすんの?」と言うように肩をすくめて引き揚げて行った。
二人きりになって、弥生が翔子に尋ねる。
「姉さん、さっきのあれってどういう…」
「続けてるんでしょ?柔道」
言われて弥生はハッとした。彼女は小学生の頃から始めた柔道教室に、今でも通い続けている。
「知ってたんですか?でも、どうして…」
「黙っててごめん。あそこの館長、ハゲたおじさんでしょ?あの人うちの親戚なんだ」 翔子はおじさんに会った時の事を話した。
「おう、翔子ちゃん?久しぶりぃ」
ホームセンターで単車のオイルを選んでいる時、翔子は不意に声を掛けられた。
「おじさん。本当に、お久しぶりです」
彼は翔子が幼い頃から何かと面倒を見てくれる、気さくな人だった。無論、翔子がどんな活動をしているかも知っている。
「元気そうじゃん。相変わらず黒好きだねぇ」 翔子は私服も黒が多かった。
「おじさんも、相変わらずお元気そうで何よりです」
「変わらん様に見える?だいぶ進んじゃったよ」
すっかり禿げ上がった頭をペシペシ叩きながらおじさんが笑って見せた。翔子もつられて笑っていた。
「そういえばさぁ、あのこ翔子ちゃんとこで世話になってんだよね?あのデカい観音様」
弥生の事だとすぐに分かった。
「あの子ずっとうちで見てんだけどさ、スジがいいっていうか、かなりいいモン持ってんだよね。ガタイもいいしさ。どっか大会にでも出せば結構な所まで行くと思うんだけど、本人はその気ないみたいでね」
控えめな表現だったが、大会に出れば間違いなく決勝に進めると彼は確信していた。
「まぁね、本人の気持ちが一番だから、無理に引っ張り出したりはしないんだけど。いやぁ惜しいなぁって思ってさ。いや、ひとりごと独り言」 おじさんはまた頭を叩いて笑った。
「ほいじゃあ。買い物の邪魔して悪かったね。うちの子、よろしく頼むよ」
翔子の肩を優しくポンポンしておじさんは歩いて行った。が、少し離れた所でクルッと振り返って叫んだ。
「また見かけたら声かけるからぁ!」
「分かったからぁ!もぅっ、大きな声で、恥ずかしいでしょ!」
おじさんはヘヘッと笑って頭をペシペシしながら去って行った。
「あのハゲ、人のプライベートをバラしやがって。…あ、すみません」
翔子の親戚だと聞いていたのについ声に出てしまった。
「ははっ いいよ、本当だもん。おしゃべりなんだ昔っから。…でもね、あの人の指導は本物。それに、あたしだからって話してくれたんだと思うし」
翔子はおじさんが去り際に「よろしく頼む」と言った意味を自分なりに理解していた。つまり、まだ可能性のある大事な教え子に、選手生命を断たれる様な事は決して無いように頼む、という事だ。
「やよがまた自分の意思でその道に進もうって思ったら、あたしもおじさんも全力でサポートする。そしてその気になれば本当に全国を狙えると信じてる。そういう意味だよ」
弥生は黙り込んでいた。
「あ、でももうしばらくは一緒に居て欲しいな、なんてね。おやすみ」
翔子も愛馬のエンジンをかけ帰って行った。
「また自分の意思で、か」
無人のグラウンドでひとりごちながら、弥生も自分の単車にまたがった。
3
弥生は幼い頃、体が弱かった。身長も小さく、よくいじめられがちだった。 少しでも強くなれる様にと父は柔道教室へ一緒に通ってくれた。最初はおそるおそるだった弥生は徐々に柔道の楽しさに目覚め、練習もトレーニングも積極的に取り組み、小学校を上がる頃には体も技も見違える様になっていた。 館長は試合にもよく参加させてくれた。しかし大きな大会になる程なぜか実力が出せず、悔しい挫折を何度も味わった。それでも自分とトレーナーを信じて果敢に挑んでいった。
だがある大会の日に気付いてしまう。なぜ実力が出せないのか。なぜ大勢の前で足がすくみ思う様に動けないのか。
似ていたのだ。 幼い頃大勢の前でからかわれ、大声を浴びせられた時に。 歓声は嘲笑と錯覚し、観覧の視線は自分へ向けられる悪意に思えた。
他愛もないはずの子供の意地悪は、大きなトラウマとなって彼女の心の奥に潜み、深い傷を負わせていた。
"どんなに頑張っても報われない”
そう感じた弥生は徐々に荒れた生活になっていった。 そして中学三年の時、男子生徒達にいわれのない事で絡まれそのうちの一人に怪我をさせてしまう。体格のいい彼女は自分が思っている以上に相手にダメージを負わせてしまう腕力になっていた。
この事件をきっかけに弥生は学校柔道連盟から資格を剥奪され、将来を期待されていた観音寺の名前は次第に忘れ去られ、彼女自身も夢を諦めた。だが大好きな柔道だけはやめる事が出来ず、人知れずコツコツと続けていたのだ。
小雨が降り始めたが弥生はバイクのシートに跨ったまましばらく腕組みをしていた。
翔子が、総長が守りたいものは副総長である自分にとっても同じもの。だから自分は仲間のためにも翔子の側を離れずずっと見守り続けていた。 だがもしかすると、守られていたのは自分だったのかも知れない。
少し強まってきた雨の中、弥生はエンジンかけ家へとバイクを走らせた。
4
降り出した雨は短時間で勢いを増している。 翔子は自販機の前で一人、おしるこを飲んでいた。帰り道でこのおしるこが売っているのはここしかない。しかも道路脇で、ちょうど単車を停めて座れるスペースがある。ごく最近偶然見つけた彼女の密かなお気に入りスポットだった。
雨はちっとも収まりそうにない。翔子はため息をついて空を見上げる。 仕方がないので飲み終えたら濡れながら帰ろう、そう考えていた時だった。
雨の音に混じって、どこからか力強い重厚な音が聞こえてくる。 耳を澄ましていると、その音は次第にはっきりしてきた。
バイクだ。
こんな土砂降りの中を、かなりのスピードで走ってくる。しかもこの危険な、環バイの直線で。
"雨の環状バイパス”
翔子ははっとして立ち上がった。
音はどんどん近づいて来る。 やや畝(うね)になっている環状最長のストレート。 その向こうが次第に明るくなってくる。 明かりは光に変わり、バイクのヘッドライトである事が肉眼でも確認出来た。
それは無茶苦茶な速度で走ってくる。 その時、翔子は鳥肌が立った。
跳ね上げられた水しぶきが、どういう訳か虹色に輝いている。 それはあたかも、孔雀が大きく羽根を広げている様に見えた。 その姿が、猛スピードで向こうの車線を翔けてゆく。
翔子は思わず「わあっ」っと声を上げた。 感動すら覚えた。
光る孔雀は あっという間に通り過ぎ、甲高い音を残して夜の闇に消えていった。
翔子はしばらく茫然と立ち尽くしていたが、ふっと我に返り、冷えてしまった残りのおしるこを飲み干した。
「敵うのかね。"あんなの”に …」
狂気じみた走り。神々しいとさえ思える光。 ぶるっと身震いしたのは寒さのせいだけでは無かった。
翔子はエンジンをかけ、空き缶を放り込んだくずかご見つめながら、
(一体何者なんだろう)
としばらく耽(ふけ)っていた。
そして孔雀の去って行ったのとは反対方向の家路へとついた。
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