翔ぶ鳥たちに風はふく
北前 憂
プロローグ
これは 彼女たちの物語
バイクが好きだ。
シートに跨って ハンドルを握る。
愛馬と一体になれたような心地よい感覚に身を委ねる。
風と共に季節の移ろいを感じ、
愛馬は私を好きな所へ連れて行く。
彼女は振り返り、改めて自分の愛馬を見つめた。
" トライアンフ ・ スクランブラー “
街乗りでもラフ·ロードでも楽しめる。今の自分にピッタリだと思った。
今座っているこの砂浜にも、このバイクだったからこそ乗り入れる事が出来た。
道路脇から海が見えた時、日が沈む前にもっと近くに行ってみたいと思い、僅かな小道を見つけて下りてきた。
目の前に広がる景色は決して大きいとは言えなかったが、砂浜には足跡も轍も無く、まるで自分だけの特別席のように思えた。
その特別なひとときを、彼女はぼんやりと満喫する。
時折吹く風が彼女の長い髪と耳元のピアスを優しく撫でていく。
彼女はおもむろに、ウエストポーチからスマートフォンを取り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます