ぼくのともだち　【軍神マルスの娘と呼ばれた女　番外編　その１】　—　北の野蛮人の息子、帝都に立つ　—

　「軍神マルスの娘　アサシン・ヤヨイ」シリーズの番外編。北の野蛮人ヤーノフの息子とヤヨイの養子タオとの出会いと友情を描きます。

　夏は短く、冬は長い。痩せた土地は一年の半分は雪に覆われ凍りつく。
　帝国人たちが「バルバールン」、野蛮人と呼ぶ者達は、そんな北の最果てに棲んでいた。
　言葉も道理もわきまえず、毎年のように同じ民族同士で小競り合いや殺し合いばかりし、食えなくなると国境を越えてやってきて帝国の地を荒らす異民族・・・。
　そんな北の野蛮人の村からやって来た１０人の少年たちは、帝国のケタ違いのスケール、人の数、街の大きさ、初めて見る機関車やトラックに衝撃を受けながらも、大都会帝都の小学校に通い始め、戸惑いながら日々を過ごし始める。
　北の野蛮人の部族長の息子ミハイルは、そこで東洋人の少…続きを読む